2011年5月25日水曜日

無法松の一生



小倉生まれの玄海育ち~♪。先日「無法松の一生(東宝;1958)」を(恥ずかしながら)初めて観ました。所々出てくる「小倉」の文字にうれしさも感じましたが,なんといってもスゴイのが作品の芸術性。人力車の(今で言う)ハイヤーをしていた主人公「松五郎」こと三船敏郎。人力車の車輪が回るカットが入っているのですが,これがなんとも切ない。詳しくは観ていただきたいので書きませんが,この人にとっての大切な商売道具の人力車。車輪が回ることで一生を表し,物語の流れをしっかりとつかんでいた。三船敏郎の個性と「松五郎」を演じる三船敏郎がなんだか同一人物に感じるほどでした。物語そのものも戦前,戦後に作られたとは思えないような(いわゆる)恋愛。戦前に作られた作品の方は陸軍の検閲でカットされたシーンがあると聞きますが(しかもカットされたシーンはほとんど現存していない),なんとなく理解できます。なんでもこなすのがスマートで生きやすい…と思いがちですが,松五郎のような一本気な生き方も素敵だなぁと思いました。昔の映画はテンポがよくてなんとなく見やすいように思うのだが。こんな映画は今の日本では作れないんだろうなぁ。

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