2012年4月28日土曜日

まだまだ作業療法はすることがたくさん

昨日から,県立広島大学にはAnn G. Fisherさんという方が来られています。作業療法の評価では著名なAMPS(運動とプロセス技能評価),schooAMPS(学校版運動とプロセス技能評価),ESI(社会交流技能評価)といった,クライエントが行う日常生活上の(AMPS),学校での学級課題の(schoolAMPS),コミュニケーションなどの社会交流の(ESI)技能を評価する方法を開発した張本人人です。同大学でESIとschoolAMPSの講習会の講師として来られています。ラッキーなことに,ちゃんくすの近くに滞在していることもあるのと,今日はfridayAMPSという勉強会があり,宿まで送ることになって夕食を2日も共にしました。世界を渡り歩いているのに,こんな英語もろくに喋られない人とごはん食べて,普通におしゃべりするなんて,いい人だなーと思いました。

この方はOTIPM(作業遂行介入プロセスモデル)という作業療法介入の際のモデルを示しています。AMPSなどの評価法は,このOTIPMの中のクライエントの技能を評価するためのものです。今日のfridayAMPSの中で少し議論にもなったのですが,日本の介護保険や自立支援法はケアマネジメントを取り入れています。欧米でもケアマネジメントが主流なのですが,日本が決定的に違うところは,ケアマネジメントと介入する人が別々なことです。日本ではケアマネージャー(ケアマネ)さんが評価をして,ケアプランを立案して,クライエントに説明して,介入は他の人達が行います。欧米の多くでは,介入もケアプランを立てた人が行うことが多いようです。
OTIPMでは,評価をしてクライエントの遂行能力の利点と改善点をあげて,介入方法を決定し,介入するプロセスが記述されています。多くの場合は評価した人が介入します。

日本の(制度としてある)ケアマネジメントの中では,OTやPT,STなどは「専門家」として捉えられています。それ故に,専門家とケアマネさんの意識の違いが介入を混乱させることを良くあるように思います。その点,OTIPMでは,それらを理論モデルに従って介入することができます。切り口は「作業」です。クライエントにとって必要な作業は?解決すべき作業は?などを見つけて働きかけられます。

作業療法はまだまだ可能性をたくさん秘めているように思っています。あーなんだか長いな。

2012年4月27日金曜日

作業をまとめる

ちゃんくすは2年目が終わり3年目に突入しています。今のちゃんくすの作業をまとめて,今後どのように活動しようか…と作業をまとめてみました。いろんな作業をしていますが,ひとつひとつが意味のある作業です。接点をちゃんくすから,地域につなげていけるように。ちゃんくすを利用する人が自分の可能性を感じて,将来につなげられるように…と思っています。社会参加に向かうように,地域と接点を持ってプログラムをたてて実行する。これがちゃんくすの作業ですね。

2012年4月20日金曜日

今日は外出が多かったデー

今日は久井のあゆみ作業所へちゃんくすを利用する方々2名と一緒に行きました。先日の「軽トラ朝市」で売り上げたお金…4,200円をお渡しするのと,交流を深めようと,お仕事体験をするためです。この4,200円は,このあゆみ作業所のポン煎餅とつくしの売上金です。野菜のない4月の出店ができたのもあゆみ作業所さんのおかげです。
お仕事とは,靴下の切れ端から足ふきマットやらを作る作業。輪ゴムのように輪っかになったちょっとだけ伸縮性のある布を編んでいきます。あゆみ作業所の皆さんは簡単に編んでいくのですが,最初は慣れないと難しいです。あーじゃこーじゃと指導を受けながら何とか編んでいきました。その後は大盛りカレーライスをいただきました。サラダもついて400円というカレーはルーがかなりこだわりがあるのと,野菜をトロトロまで煮込んでいて,とても美味しかったです。ついつい,もう一杯。と言ってしまいそうでした。食生活が乱れていて,口の中は口内炎が痛いのですが,なおさら進みそうです(だって美味しいんだもん)。
午後からは,これまで修理した,扇風機,足下マッサージ器,ラミネーター,リサイクルパソコンの納品日。修理をした方と一緒にまわりました。みなさんから感謝の言葉をいただき,またがんばれそうです。直したご本人は,どこ吹く風~という感じでしたが,私はとても成長したなぁと思いました。
ちゃんくすから離れて活動することが多かった一日。喜びというのは,受け身ではなく,積極的に動いていくことで得られるものですね。これからも,どんどん外に。環境に飛び込んでいくことが必要ですね。すっかり暖かくなっていますが,山手にある久井は現在が桜の満開で,少しずつ散っています。いよいよ春本番になりつつあります。ひとつでも喜びを見つけられる春になるといいなぁ。

2012年4月18日水曜日

ここ最近の(食)活動

新年度が始まって,入学式があって一週間が過ぎました。ここ最近は,ちゃんくすはどうも食べ物に縁がありすぎます。先週の土曜日にはちゃんくすのスイーツ係の方が「さくら餅」を作りました。この日はもうお一方がシュークリームを作りました。シュークリームは,どうしてもマスターしたいのか,2回目のチャレンジ。ちゃんと膨らみとっても美味しかったです。月曜日は,三原から船で約20分のところにある鷺島(さぎしま)という所にある海の家「マリンパーク海族」というところで,雑草を抜いたり,掃除をしたりしました。他の障がい者就労支援施設の方々と一緒に働く体験です。働いた後の報酬は,なんと「バーベキュー」。これがまたとっっても柔らかいお肉でして,ほっぺた落ちました。仕事とはいえバーベキューです。まー美味しかった。そして,今日は,お昼から「餃子パーティー」しました。ただ,作るのではなく,ある程度はどれくらい包丁を使えるか…とか,手でうまく包めるか…とかそれなりの狙いもあるのですが,なんといっても餃子です。これまた美味しかったです。桜餅,シュークリーム,焼き肉バーベキュー,餃子…何度も言いますが仕事です。作業療法です。いやー作業療法って太るものなんですね。というわけにもいかないので,本日はトレーニングジムに行って,60分きっちり動いてきました。まさか,こんなにちゃんくすでいい物食べられるとは思ってもみませんでした。みなさんありがとうございます。

2012年4月11日水曜日

地域と作業とまちづくり(長いです)

駅前という場所の意味が変化しつつある。このことを強く意識したのは,市役所で行われた委員会の中で,ある委員の一言でした。

これまで駅前は,商業や経済の街でした。公共交通機関が発達し,大量に人が移動できる電車やバスを降りたらデパート,商店街があり,お店に入ると自分の購買意欲や食欲を満たすためにお金を支払う。お金がたくさん通過する場所では,土地の値段があがり,土地の価値で固定資産税を得ることができ,時代に大きく左右されない固定収入が行政には入り,それをインフラの整備など市民の生活を豊かにするような施策をする。これが,昔の駅前の役割でした。

しかし,現在はひとり1台は車がある車社会。自分の思った時間に,思った場所にいくことができます。次第に大量輸送ができる公共交通機関には人が乗らなくなり,商業の中心地は郊外へと移っていきました。その結果,駅前には人が寄らなくなり,土地の値段は下がり,固定収入は得られなくなりました。郊外型の大型店舗はチェーン店がほとんどですので,法人税は市町に入らず,中央である東京などの大都市に流れる。駅前という場所は,どこもこのような時代の中で「中心市街地」というブランドを失いつつあります。

一昨年,若者にアンケートをしたことがあります。中心市街地である駅前に人の賑わいをもたらすために,どのような施設があればいいか…。返ってきた答えに「駅前はもともと人が来ないので,なぜ今更人の賑わいを駅前に作るのかわからない」というのがありました。現在の高校生くらいは,駅前=閑散…というイメージもあるようです。

私は作業療法士ですが,作業療法のこれまでの歴史では障害や病気により身体や精神の機能障害に対する訓練や治療という意味合いがありました。以前の機能に戻すための介入です。しかし,機能が改善しないことも多くあります。障害と一生をともにしながら,自身の生き方を進めていかなくちゃいけないことも多いです。元の姿に戻すのではなく,病気や障害を持ちながらも,それと一緒に,自分の生活や仕事や趣味ができるようになるのを援助するのが作業療法士です。

駅前も似たような状態なのかなと思います。新しい価値観や意味合いを持つことが必要です。どんな価値観や意味合いを持つことが必要なのでしょうか。今そこにある物を使いながら新しい価値観を持つこと,顔と顔が触れあいながら楽しみを見つけ出すこと,人のアイデアがすぐに形になって輪の広がりを感じられるようになること…。駅前の新しい役割なのかな,と思っています。その中心には,やはり「そこ(三原)」で「やってみたいこと」を実現することかなと思います。「やってみたいこと」や「チャレンジ」には年齢も性別も社会的地位も何も関係ありません。いろんな人が混ざることのできる地域ができるのでは?と思っています。

長文失礼しました~。

2012年4月10日火曜日

始業式に入学式

今日は多くの学校で入学式がありました。ちゃんくすからも多くの方が中学校,高等学校に入学しました。嬉しい悲鳴なのでしょうが,春休みは多くの方の学校に行きました。学校の先生と話しをしたり,具体的に授業の方法を一緒に悩んだり…。生徒だけが新しい環境になるわけではなく,先生も,親も,支援する人も,みんな新しい環境になって一緒に成長できるように。そういう気持ちで望めば,きっと上手くいかないまでも,少しずつ進んでいけると思います。
嬉しいことに,入学式の後にちゃんくすに寄ってくれた方もいます。数日前と変わらないのに,ぐっと大人になったような感じです。こういう時を共にできるのも嬉しいですね。
明日は多くの学校で「部活動紹介」とか「写真撮影」とか「健康診断」とか「ロングホームルーム」とかが催されます。自分以外の人達がとっても気になる時期です。こういう時期だからこそ,ゆっくりと時間をかけてお子さんの気持ちとか,世界観の変わりようを感じたいですね。ただ,学校は忙しそうなんですよね。新しい生活はとにかく最初は疲れるし…。

2012年4月4日水曜日

バリアフリーマップin呉線の旅

先日…呉線のバリアフリー度を調査するプチ旅行に出かけました。駅舎の構造やエレベータ,段差解消のためのブロックの設置や誘導,多目的トイレについて調べました。最近できた新広駅なんかは,駅前に市民センターがあり,行政の窓口,図書館,ポスト,スイミングプールなどが駅前にあり,しかも,作業所が駅舎の2階にありました。すばらしいじゃないですか!中国労災病院へのアクセス,国際大学へのアクセスなど,資格に見える位置にあるので,ひとまず迷いそうにないなと…。
しかも,呉線の駅のいくつかにはエレベータの所に,「車いすの方を優先に」みたいな看板ではなく,「車いすの方がエレベータを利用するときには手伝って下さい」という看板がありました。つまり,介助する人に向けて看板があるわけです。これってものすごくいいと思いました。車いすの方と別々に行動するのではなく,ぜひ一緒にしてくれ,というような意識が向けられていると思いました。
間違って,反対方向の列車になるようなアクシデントもありましたが,まずはいい感じで次回につなげられそうです。やはり,プチ旅行もいいね。

駅の次は三原駅周辺の多目的トイレを調べようとしています。どこまで研究熱心なのだ!