2013年6月28日金曜日

ワンライトさんの職場訪問

久しぶりになってしまいました。ブログの更新です。今日から日本作業療法学会が大阪で開催されています。が、今年は参加せず三原でしこしことやっております。
 今日は福山にあるワンライトさんの職場訪問をしました。ワンライトさんは印刷会社。伝票印刷が主ですが、6年前からはいろんな物への印刷を行っていて、キーボード、のれんなど立体のものにも印刷できる設備を導入して、さまざまなチャレンジを行っています。また、この会社の社長さん高橋さんは広島県中中小企業家同友会の障害者問題委員会、バリアフリー委員会の委員長をしており、障害者を雇用している企業でもあります。

ちゃんくすからは、高校生ら6名で参加しました。印刷業とはどのような仕事か?という単純な動機で見学に行ったのと、3月に行われた就労体験報告会での特別講演をお願いしたこともあり、一度は行ってみたい企業とちゃんくす一同思っていたからです。

いつも見る新聞の中に入っている広告がどのようにしてできるかを、ひとつひとつ丁寧に教えていただきました。印刷をする会社は印刷ばかりしていれば成り立つ商売か?といえばNO「いいえ」です。お金の計算をする人、デザインを決める人、印刷する人、ダンボールを作る人、運送する人、電話での応対をする人…などなどたくさんの仕事があります。ひとりひとりがすべて同じ人だったら、この仕事はできない。ひとりひとりが違って、得意なこと、苦手なことがあるから会社は成り立っている。何か1つでいいから、自分ができることを探しなさい。

私たちの仕事、ちゃんくすのミッションは、やってみたい作業が出来るように支援することです。しかし、就職とか学校とかでの支援をしていると、ひとりひとり違うはずなのに同じようなひとになりなさいと強要しているように感じます。

今日の職場訪問はその間違いを感じることが出来ました。やはりひとりひとり違っていいんです。

見学は結局終了は15時30分くらい。みなさん疲れもあったろうに、しっかりとついてきていました。お疲れさまでした。

2013年6月11日火曜日

斉藤工房で…

今日はすごいことが起こっていることを知りました。

斉藤工房への注文が舞い込みました。近所でお店をしている人でして、スピーカーを先日納品しました。その方がいいCDプレーヤーを教えて欲しい、と要望がありました。斉藤工房としては見積書などを持参し営業。説明すると「良し。じゃぁこれでお願い。」と注文をいただきました。そこまでは、普通の流れですが、そこからがすごい。

その方は斉藤工房がNHKニュースで紹介されたときに見ていて、真っ先にちゃんくすに飛び込んでこられた方でした。スピーカーを見ては「すごいなー。」と言われていました。この方、昔ちょうどPPMが流行したときが青春時代。ステレオにこだわり、大きなアンプとスピーカーを持っていました。しかし、サラリーマンになってしまってからはほとんど使われず、お蔵入りになった状態だったそうです。

月日は流れてそれから多分40年くらいに斉藤工房の出現です。「またやってみようかな」と思い、お蔵入りになった大きなステレオのアンプを出し、昔聴いていたLP版のレコードを出し、CDもたっくさん出したそうです。当分やっていなかったギターも出してきて…40年前の自分の作業をまた始めたそうです。

まさか、作業がこういう形でつながるとは思いもしませんでした。この方にとっては、時を越えて意欲というか、やる気スイッチが斉藤工房(の作業)が押されたのです。こうやって作業が中心で地域の人と人がつながり、人に影響を与えることができること。本当にすごい!と思いました。

やはり、やっていることを人に伝えるってもんです。先日、「今でしょ」の林修さんが言っていましたが、「夢は語らなきゃ損だよ。」。作業はこうやって人に影響を与えるんです。

写真はその出てきたアルバムに(Brothers four)にサインをしてもらったものだそうです。これも、ずっと倉庫に眠っていて、この(斉藤工房の)作業との出会いで出してきたそうです。往年のバンドで学生時代によく聞いていたLP版。つながるもんですなぁ。人生は。

2013年6月1日土曜日

ナミねえに会ってきました

昨日は、神戸学院大学に授業をするのと、斉藤工房のスピーカーの納品をするので車で神戸まで行きました。神戸といえばスイーツ。スイーツといえばパティシエ。ちゃんくすのパティシエくんも今や、修行中です。神戸にはプロップステーションという社会福祉法人があります。障害者という呼び名ではなく、チャレンジド、挑戦する人を応援して社会参加を促しています。平成23年12月に三原でフェリシモさんの方を講師にお招きして障害者就労支援施設の製品をフェリシモさんの作家さんが、デザインに取り入れて製品化して販路拡大をしているという話をうかがいました。その仕掛け人がナミねえさんこと竹中ナミさんです。その前から活動は時々見ていたのですが、とにかく企業とつながり、稼ぐ事業をやっていました。いまや、NHKの委員だったり、春の園遊会に招待されるは…とその活躍ぶりはテレビでもよく拝見します。神戸に行くので、ダメもとと思って会えませんか?というコールにOKをいただき、会ってきました。
私は、企業と作業所をつなぐ原動力と具体的な策はあるのか?ということが知りたかったのですが、それをはるかに超えたエネルギーと作戦と心臓(ハート)とおしゃべりでした。企業とつながるのではなく、どうすればもっとより良い社会を作るために活動できるか、どうすればチャレンジドの方々の個性を社会に活かせるか、どうすれば問題解決に向かえる人材を役割を持って社会の中で仕事が出来るか。そういう戦略の中で活動していました。何もないところからのスタート、娘さんとの出会い、いろんな個性ある人との出会いと、社会のつながりにくさに対する驚き。そのやり方には多くの反対意見もあったようですが、それでも続けていって、今やいろんな人材を社会に送り出しています。
「よい子は真似せんほうがええで。」とご自身が言われるように、既存の社会制度ではナミねえさんの戦略はできません。企業と付き合うのではなく、企業の中のひとりの人とつながり、企業を巻き込み、社会貢献を果たしながら、個人の幸せを達成するということをやっていました。
渋滞で遅れていったにも関わらず、なんとま90分もお話が出来て、また力がわいてきました。
ちゃんくすの方向を考えることが多いのですが、このまま進んで行こう、と感じました。「よい子は真似せん方がええで。」。私は真似はできませんが、私なりにやってみようと思います。つくづくですが、やはりちゃんくすは支えられているなぁと思いながら三原に帰りました。
写真は一緒に行って、授業にお招きいただき、斉藤工房のスピーカーをご購入いただいた藤原先生(左)。ありがとうございました。