2013年7月29日月曜日

お祭りをみんなで楽しめるようになること

今年もやっさ祭りがやってきました。赤いスタッフTシャツもおなじみになってきました。人にやさしい祭り委員会の目標は、お祭りを楽しみたいという当たり前のことが誰でもできるようになること。です。人にやさしい祭り委員会はいくつかのイベントを持っています。

参加者みんなでお祭りを楽しむための交流会は2回します。人に慣れること、踊る感覚を思い出すこと、みんなで楽しむためにスケジュールを知ること…予行練習しておかないとわからないこともお互いにあります。そうして、「明日にかける橋チーム、deafの輪チーム」で踊ること、花火を一緒に見に行くこと、ができるようにしています。
人にやさしい観覧席を作ることで、人が多くて見えない踊りをまじかに見ることができるようにします。
要約筆記や手話通訳をすることでアナウンスを文字情報にして提供することで、耳が聞こえなくてもお祭りのメインであるステージの情報が伝わることができるようになります。
授乳しなければいけないお母さん方に授乳室を作ることで、お子さんのいるご家庭の外出ができるようにしています。
今年はトイレ掃除をして特に洋式トイレを掃除することで、和式トイレができない人でも快適にトイレをしてお祭りを楽しんでもらおうと思います。

ひとりではできません。すべての人がまちで楽しめるようにするために、ひとりひとりができることの積み重ねです。多くは県立広島大学のボランティア部の学生がやっています。今年は副委員長なので、少しこういうことを楽しみながら今日の交流会を終えることが出来ました。

そこで活動できることもありがたいなーと思いました。

2013年7月25日木曜日

夏休み宿題塾in本町

今日は現在計画中のイベントの話。激しい雨が降った数日のため、三原市内の小中学校は多くは、実質今日から夏休みです。昨日は、ちゃんくすで夏休みの過ごし方や目標をみなさんで共有したのですが、最近の学校の夏休みは忙しそうです。チャレンジウィークで1週間は就労体験。部活もあり、午前中はほとんど学校へ。夏休みも最後の週は2学期が始まっているようです。42日間の長い長い休みかと思いきや、本当にお休みは長くて3週間くらい。私の小学校の頃なんて、母の実家のある長崎に2週間くらい行って毎日海に浸かっていた記憶しかありません。

決まって最後にしなくちゃいけないのは、夏休みの宿題。感想文、ポスターを作る、自由工作、自由研究、夏休みの友、絵日記。たくさんあって最後の最後に本当に夜な夜なやっていました。

この夏はいつもお世話になっている本町で県立大学の学生とイベントを企画しています。夏休み宿題塾in本町。このイベントは、お隣のサッカーミュージアムをしている方へのニーズ調査、インタビューがスタートです。隣の活動センター「いろは」とサッカーミュージアムで共同企画をしたい。ここからスタートでした。お隣の「いろは」さんももっと活動のメニューを増やして、開けられる日を多くしたい。というのもありました。学生やちゃんくすにできることといえば、小学生や中学生に遊びや勉強を提供できることかな、ということ。サッカーミュージアムとの連携では、ひとまず本町で出来ることといえば、ウィニングイレブンやサッカーのボードゲーム、それなら将棋もするかと学生の趣味?も取り入れて将棋大会。学生のやってみたい英語塾(前やっていたらしい)。ちゃんくすの役割はもっといろんな人に来てもらうための広報としかけ作りと活動の場作り。

そんな感じでやってみるのが、夏休み宿題塾in本町です。自由工作を作りたかったら材料と道具を、何作るか決まってなければ相談もできるし、ポスター描くなら筆と絵の具、感想文書くなら本を持ってきて、勉強したければ宿題持ってきて…。息抜きには、途中の水曜日にサッカー大会、将棋大会やらします。

いろんな「やらなくちゃ」の作業を楽しく「やってみよう」の作業にできたらいいなーと。思い出もくっつけば、これで宿題したお子さんが大人になったときに、自分でできることになるかもしれない。そんな期待をしつつ楽しもうかと。

2013年7月22日月曜日

ちゃんくすサイクリング

先週の土曜日はちゃんくすサイクリング部が活動しました。行ける所まで行ってみよう…で始めたサイクリング。ママチャリの方、ロードバイクの方など、計画性のないチャレンジでした。集まったメンバーは全部で5名。しまなみ海道を最初から行くのは大変なので、須波港から瀬戸田(生口島)までフェリー。その後は四国を目指して行こうと。それぞれのペースもあるのですが、平坦な道も多く比較的スムーズに行けました。しかし、橋に登る道はさすがに険しく、ママチャリではきつそうでした。大三島に渡ったところで(出発して約2時間)大きな休憩。柑橘系のアイスを食べてエネルギー補給。次なる伯方島までひたすら自転車をこいで1時間もかからずに伯方島へ。しかし、大三島橋の高低差はママチャリにはしんどくて昼食。すでに時間は13時。暑いし、休憩を取っても、四国までまだ20キロ近くあるし…。しかし、中にはサイクリングが大好きな方もおり、引き返すのを説得するのも大変。伯方島で楽しめることはないかとガイドブックを観たら、美味しそうな喫茶店が。あとは、おとなりの大島の潮見船に乗って渦潮を観るか。でも、潮見船はちょっと時間がかかりそう。ということで伯方島堪能ツアーで喫茶店でスイーツに行こうと。皆さん現金なもので美味しいものを食べようとなるとやる気もアップ。パティシエくんはスイーツの勉強することに。またおひとりはちょうど明日がお誕生日と。こんな偶然も旅にはあるもんだわ…と言いながら行きました。結構な道のりでして、アップダウンの続く道で、途中で本当に着くの?と心配になるほど。でも、着いてみるとまー素敵なお店。テンションはあがり、さらに店内に入ると海を一望できるテーブル。テンションマックスでした。しかも!今まではチョー暑い日差しなのに風がそよそよ、日陰で涼しいじゃないですか。オアシスってのはこういうところを言うのだろうと感じました。バースデーのケーキもパクパク食べてお腹も満たされました。
もう時間も帰る時間。無言でひたすら自転車をこいで帰りました。帰りはかなり早くて予定よりも早く着きました。ただ、一番危険を感じた三原港~須波港までの185号線は嫌だなーと思っていたら、なんと、瀬戸田から三原港への高速船は自転車も積めるというじゃないですか。知らなかった。迷わず、その高速船で三原港へ。全部で約60キロの旅でした。

サイクリングはひたすらこいで目的地へ行くというだけの単純なもの。帰りがけには、不思議と充実感というか、帰るぞーっていう意欲というか、そんなのを感じました。海あり、山あり、坂あり、素敵な喫茶店あり、どれも出会いだったなーと。パティシエくんはケーキの勉強もできたみたいだし、お誕生日の方はかなりがんばってこいでたし、ガス抜きくんは興奮もしたけど、まぁそれも一興。おさめることもできたし。

暑い夏の始まりのちゃんくすでした。

2013年7月16日火曜日

家具屋さんの工場をミタ

今日は来週に予定している市内の家具を作っている会社見学の打ち合わせに行きました。三原市内で家具を作っている工場はあるのかもしれませんが、この会社は船舶家具…船に設置されるイス、ロッカー、机、棚などを作っています。船でも旅客船や貨物船で大型の船に設置される家具です。正直なところ、船舶家具なんてどれくらい需要があるのだろう?と思って行ったのですが、これがすごい!広い敷地に多くの木材加工、スチール加工、縫製の機器がならび、多くの家具が作られていました。考えてもみれば船に乗せる家具なんてどれも規格が違って当たり前で、既製品ではかなわないものを作っていました。船は特有の揺れ、エンジンの振動だけでもものすごくあるわけでして、そういった特殊な構造をした物も見ることができました。
中国地方には、こういった船舶家具を作っている業者は1つしかないらしく、独占しているようなものですが、海外…韓国、中国、台湾など安価で作る業者におされているそうです。
打ち合わせをさせていただいた常務さまいわく、自分が作ったものが世界を渡っていくことを創造しながら作りなさい。今ここにあるものが、世界を旅していって、座るイスに癒されたり疲れをとったり…その基本を支える仕事をしているんだな、と思うととてもやりがいのある仕事だなと思いました。
大きな企業に就職する傾向が強く、非正規雇用も多い世の中。こういった職人の技みたいな仕事で、やりがいのある仕事が地域から世界に出て行っているかと思うと、わくわくしました。本番は来週のための下見でしたが、私が勉強になりました。ありがとうございました。あっ。社長さんが差し入れていただいた缶コーヒーがめちゃ美味しかった。というか嬉しかった。

2013年7月14日日曜日

軽トラ朝市と子どもオリンピック

今年度に入って三原駅前市民広場でちゃんくすが主催する子どもオリンピックは軽トラ朝市といっしょに活動しています。今日は、夏の日差しの中での駅前広場でのイベントでした。
ちゃんくすには、とても豊かな作業があります。年齢や学歴によらず、ひとつのことをするととことんする方々が多いです。スイッチが入ると、手段も選ばずにする人もいます。それが、社会のルールにのっとっているかと言うと、ちょっと自信がないときもあります。でも、その作業はとても魅力的だし、周りを豊かにすることも多いです。
いろんな人にそういうことを知ってもらえば、周りの人も協力してくれます。だから、できるだけ顔と顔をつき合わせる形での交流ができるような機会を作っています。それが、子どもオリンピックと軽トラ朝市を一緒にしている大きな理由です。
駅前広場っていう場は、さまざまな交流を生み出す場なのだと思いますし、そう在りたいと感じています。子どもと大人、農家と消費者、団体と団体。人と人だけではなく、いつもやっていることを他の人と共有するだけでも楽しめたり、人生が豊かになったりするのだろうと思います。
今日は農家さんにたくさんの野菜をいただきました。これもあげるけ、彼に調理してもらえばいいよ。これも焼いてみたらちょっと違う楽しみ方もあるよ。農家さんならでは食材の活かし方を知っています。見た目はちょっとちゃらいですが、調理に一所懸命の方もいます。いろんなことが混ざり合えるようになればいいなぁと。課題も多いけど、駅前広場は可能性を持った場なのでしょう。でも、せめて影があったらなぁ。もう少し快適に過ごせるのになぁ。暑すぎるよ...。
写真は、そんな農家さんの気持ちも入ったホイル焼き。美味しかったですよ。

2013年7月10日水曜日

サッカーミュージアムにて

本町にはサッカーミニミュージアムがあります。以前、このブログでも紹介しましたが、長友の日本代表のユニが展示されたり、サンフレの西川ゴールキーパーの手袋が展示されていたりと、とにかくサッカー通にはたまんない場所です。今日は、その主宰者の方に学生さんと一緒にインタビューをしました。学生は県立広島大学の学生でして、今年一年本町で一緒に活動することにしておりまして、インタビューをしてまわっています。
学生さんがインタビューをするのと、これまた私はCOPM(カナダ作業遂行測定)というのをしました。これはその方の「やってみたいこと」とか「困っていること」を話し合いで明らかにして、大切な度合い、上手くできている度合い、満足している度合いを10段階で本人にスコアをつけてもらうものです。単純なものなのですが、点数がつくこと、関わった度合いに応じて点数が変化していくこと、何よりもその方と私の間で何か必要なことで、何をしていきたくて、そのためには何をしなくちゃいけないか、がわかります。
主宰者の方とお話をしていると、さすが自分の考えがあって私財を投げ打ってまで改装してミュージアムをしているだけあります。いろんなこと(作業)をしていました。ただお客さんを呼ぶのではなく、自分のやりたいことを形にしているなと感じました。やってみたいことの規模が大きいので、いろんな人が関わっています。地域のこと、現在の将来のサッカー界のこと、街のこと。こういう方とお話していると、自分の活動の幅の狭さというか、そんなのを感じます。
お話を聞いている中で驚いたのが、自身のサッカーの歴史である、高校サッカーの新聞を全部とじてひとつの冊子にしていること。ページ数は1,200ページ。私の生まれる前からのサッカー部の新聞がつい最近のまで1つの冊子になっています。ひとつひとつが積み重なると、重みを感じます。きっと、この中に出る高校のサッカー部の卒業生は、懐かしく思うのと、きっと大事に思われていたんだなと感じるはずです。とにかく素敵でした。やはり、地域で生きている人は違うなーと感じました。

写真はそのミュージアムの一番目立つところに貼っていたもの。中学生の県大会の組み合わせ表。三原の中学校は赤で書いていて、これまたいいじゃないですか。

2013年7月2日火曜日

瀬戸内の島の特別支援学校相談日でした

年間数回ですが、瀬戸内に浮かぶ島にある特別支援学校に作業療法の相談日として訪問しています。今日はとても天気の良い正直ドライブ日和。しまなみ海道を車で行くこと三原から約1時間。因島の入り口にある特別支援学校です。

この学校は、以前は地域の小学校として使われていました。学校としてはめずらしく借地に立っています。今からなんと130年くらい前、地域に学校が無いことを懸念した地元の人たちが寄付金を集めて土地を買い、整地しそこに教育委員会が学校を建てたのが始まりだそうでして、その名残で運動場の端っこには未だに130年前に寄付金を拠出した人たちであろう石碑が並んでいます。また、地元の名士の方の名前がある部屋もあります。ですので、運動会も特別支援学校の学生さんだけでなく、地元の町内会の運動会も合同で開催されています。

私が担当するのは主に高等部。今日は高校3年生の皆さんと1日時間を共有しました。高等部を卒業するとほとんどの方が就職します。しかし、これまでこの学校から一般企業に就職したのは昨年度が初めての1名です。この数字にはいろんな意味が含まれています。

一般企業に就職する希望がないのか?というとそれは違います。多くの方は希望を高等部の最初の頃には持っています。しかし、卒業が近づくにつれて次第に無理なことに気づきます。
ひとつは、一般企業に就職する場が無いことです。島には企業がありますが、多くは造船関係や農業や漁業です。造船関係はいろんな企業がありますが、普通でも雇用がありません。また、重労働でも知られており、なかなか障害者が出来る仕事か?と言われると難しいのが現状です。
農業や漁業も求人はほとんどありません。普通高校を卒業しても就職は多くの方は島を出て就職しているようです。

では、島を出て就職しようとすると、今度は通勤が出来ません。公共交通機関で本土に行くにはバスですが、これが最寄のバス停から尾道駅まで約45分。尾道駅から公共交通機関で行けるような場所に会社があればいいのですが、これが障害者が雇用されている企業の多くが郊外にあり、なかなか会社にたどり着けません。送迎ももちろんありません。

原付バイクで島からしまなみ海道は無謀な旅でして、毎日通うのは普通でも難しいです。自動車免許を取得できれば一番良いのですが、これも難しいです。能力的には免許を取得できる方でも、なかなか現実には免許を取って運転して約1時間の道のりを通勤するというのを考え付きません。

そもそも、島からほとんどの方が一人で出かけることがない状況で高等部まで育ちます。あったとしても、ご家族の自家用車で移動しますから、ひとりで出かける経験も乏しいのが現状です。

では、生活そのものを自宅を離れて暮らすことも考えられるでしょうが、これもなかなか踏み切れませんし、グループホームもほとんど空きがありません。来年4月から通うので、10月くらいからグループホームを探すといっても、今すぐにグループホームに入りたい人もおり、4月には埋まっている状況です。将来はいるであろう人にグループホームが提供できるほど資源はまだ潤沢ではありません。

現実を考えると、その人がやってみたいことを達成するには、たっくさんのバリアがあります。制度や施策の構造的なバリア、個人の背景的なバリア、物理的なバリア、心理的なバリアがあるように感じます。3年生になると希望することもできなくなるような、そんなことにならないようにする地域が必要だと感じました。島だけで、特別支援学校だけで、教員だけで、町内だけで、企業だけで、行政だけで、考えるのではなく、みんなで考える課題だなぁと思いました。

駅前にあるちゃんくすです。この立地を考えるといろんなことができるかなと。