2013年9月30日月曜日

作業チェックコーナーin神辺

実は昨年度は行かなかったので、2年ぶりとなる作業チェックコーナーに行ってまいりました。場所は福山市神辺町。福山東ICから車で10分くらいでして、田畑も多いのですが、福山への通勤圏内ということもあり、スーパーや大型店もある街の福祉祭りで広島県作業療法士会ブースの運営を今日一日してきました。
作業チェックコーナーは、生活の中でしていることを書いてもらって、それが義務的か、意欲的か、というものを聞いて、日常生活のしていること(作業)のバランスをチェックするものです。義務的なことが多いと、病みそうだし、意欲的なものばかりだと、自己中心的になりそうだし。バランスが大切ってことを振り返ってもらうような質問紙です。

福祉祭りというと、以前は少し援助が必要な高齢者や障害者の方が多かったのですが、介護予防がさけばれ始めるようになってくらいから、元気な方の発表会、お子さんや家族連れの多世代交流、地域のお祭りという感じになってきました。多くの市町は行政の予算で行うので、年々縮小傾向のところもあれば、逆に充実するようなところもあります。今回行った神辺は初めてでしたが、なんといってもブースが多くて驚きました。障害者の福祉的な施設、高齢者の施設、幼稚園や保育所、白バイやパトカーなどの警察や消防、自動車学校、社会福祉協議会などの行政組織などなど様々な街の機関が集まっていました。どちらかというと、市民祭りっぽかった。さすがに「福祉を高めよう」が合言葉だけあるのかな。

そんな地域での作業チェックコーナー。多くは高齢者の方がブースに来られましたが、やっていることは本当に「畑」「田んぼ」「農業」が多かった。そしてみなさんの元気で個性あふれる作業が多かった。
「はみ焼酎(いわゆるハブ酒)」を作っている方は、飲めば風邪はよくなり、傷に塗るとすぐに治り、病院に行ったことはこの数十年間ないと。ちなみに、この方は未だにしている畳屋さんは、現在はほとんどは発泡剤に変わっている「床(とこ)」を、いまだに「わら」から作っている畳屋さんをしているとか。
昔、農業試験場で働いてた方が、その仕事のせいか、退職しても田んぼを見て周ると害虫にやられそうな稲がわかり、伝えていくうちに、だんだん皆さんの方が詳しくなって稲の病気のない地域になったこと。
年齢は98歳の義理の母がいまだに畑をがんばっているから私もやめられんのよー、と嘆く70歳代の女性の方。
時刻表が好きで、電車に乗りたいので、学校をサボって電車に乗ったら連れ戻されるんよー、と笑いながら話す高校生。
昭和3○年の同級生のつながりが今も強くて、いろんなことが重なってくじけそうになったときに、そのお友達に支えられたおかげで、今はとっても活動的な女性の方。

いろんな生き方があって、その人なりに歩んでいるのがわかることがいいと思うし、そこから自分にとって、何をすることが大切なのかが一緒にわかるように感じています。

他のブースは、脳年齢、体力、瞬発力など、数字に置き換わるものが多い。数字はうそはつかないし、それはそれで必要だけど、作業チェックコーナーのようなアナログな感じのものもひとつはあってもいいかな、と思う。

最後に「私たちは作業療法士という仕事をしていて、「できるようになること」がとても大切だと感じて、こういうことことをしているんです」とリーフレットをお渡しすると、多くの方は「面白そうな仕事じゃね」と返してくれる。

久しぶりの作業チェックコーナーは、笑いの多い1日でした。お疲れさまでした。

2013年9月25日水曜日

経済レポートより

9月20日号の「経済レポート」にみはらまちづくり兎っ兎(とっと)の小川和子さんが表紙を飾っています。経済レポートのような企業向けの雑誌に市民活動が表紙を飾ることに驚いたのと、一緒に仕事をする機会があってとても光栄に感じました。内容は東日本大震災への支援をする中で、地域も大人も子どもも変わっていくこと。小川さんからすれば、震災に限らず、人が社会のためにする活動(社会貢献)は、未来に続く旅をしているようなものだ、と読み取りました。
少し前ですが、高校生が中心となって災害派遣ボランティアをしている団体の活動報告会を聞きに行きました。もちろん、引率する先生もいるのですが、基本的には自分たちで決めて、自分たちでお金を作って(大部分は寄付活動です)、自分たちで行くものでした。それぞれが集まってすること、それぞれが自分の地域でひとりでできること、などが報告されていました。ある方は、自分の文化祭で活動報告をする方、ある方は、自主防災組織に入っている方。いろいろな形ではありましたが、いきいきしていました。

私は作業療法士でして、作業をつうじて人が健康になったり、幸せになることを促進しています(ちょっと大げさかな)。対象は個人だったり、町内会だったり、地域だったりいろいろです。ひとりひとりのやってみたいことは少しずつ違うけど、集まってみれば同じ方向に進んでいるような活動を応援できたらなぁ。

社会貢献というととっても大きなくくりだけど、ひとつひとつは物語があって、それぞれが素敵だったらいいですね。そんなことを小川さんの活動を読んでて感じました。ありがとうです。

2013年9月23日月曜日

ある運動会で

久しぶりの投稿になります。約1ヶ月ぶりです。忙しいのもあるのですが、この夏はさすがに少しばてていました。夜に書く作業が他にもあって、なかなかブログ更新まで至りませんでした。

さて。先日ですが、ある学校の運動会を見に行きました。ちゃんくすに来られている方々が数名いらっしゃるのと、相談で運動会の練習で言われる一言に傷ついていて気持ちが入らない方が相談に来られたこともあり、多少の心配もあり見に行きました。知っている人がいると運動会の見方も随分違うものでして、見ているこちらがハラハラドキドキで見ていました。

いよいよ気持ちが入らない方のプログラム。生徒全員で円陣を組んで掛け声をだしたり、みんなでハイタッチしながら健闘を誓っていました。練習ではうまくいかなくて、なかなか大変だったようです。難易度の高いプログラムでもあるので、失敗も多く、ケガをする人もいます。そんな中スタート。
序盤はまだなんとかやっていたのですが、次第に難しくなっていきます。
見せ場の一番難易度も高いところに差し掛かると、こちらも緊張です。そんな中、その方はやり切れることが出来ました。

練習のときは、そのプログラムがどうしても出来ないらしく、同じ立場の生徒さんに言われた一言で悩んでいる彼も、本番でできたことがうれしかったのでしょう。プログラムの最後になってようやく笑顔が見えました。こちらは一安心でした。

練習のつらかった体験が、すべて楽しかった作業に変わった瞬間です。こういうことをつなげながら、次のチャレンジも応援しようと思います。