2014年12月15日月曜日

視線を相手にあわせる

毎年ですが,寒くなり始めの12月の第一週目に障害者週間というのがあります.障害に対する理解を深めること,が大きなテーマですが,基本的には障害があろうがなかろうが,地域を構成する個人であることにおいては平等なはずです.しかし,働くこと,生活すること,余暇を過ごすことなど,多くの場面で機能的な障害を持つ方は問題を感じることがあります.そこで「障害」は生まれます.


今回の障害者週間啓発事業では,そういう障害を感じなくなるような場や機会を設けることがテーマでした.同じ場所,同じ目標に向かって共に時間を過ごすことが,何よりもこういった障害を感じなくさせることができます.

三原のお寺でアート.MAT(Mihara Arte en Tempolo)’14では,芸術という表現を地域で培っていきたい,という想いがありました.絵を描く,風景をとらえる,想いを図で表す,という表現は自由です.「やりたい」という気持ちがあれば「できる」ことが多いし,そこに機能的な障害は関係ありません.ちょっと違う視点や表現は人の感性を豊かにすると思うし,そこに人はまた違う世界観を知り,学び,深め,自分に取り込んでいくように感じます.
今回のMAT’14では,三原に在住しているクリエーターの方が監修しています.私は彼に学ぶことがとても多かったです.「芸術っちゅーもんの中には障害のあるなしは関係あらへん.」「なんやおもしろいことやっとるなー.よう観たら障害者やったらしいけどな.」.関西弁の彼が語るのは,常に同じことやるのには境目はないような表現ばかりでした.

今日行われたカープの中田廉選手とRCCアナウンサー坂上アナウンサーのイベントでは,相手との言葉のキャッチボール,というのを感じました.お客さんの語りにあわせる,相手に自分がこうしたいということを,不快に思わせずに伝える.相手が動けなければ,自分がそこに行く.「ふれあいイベント」という名のとおり,本当にステージとお客さんが一体になったような時間でした.常に相手の視線にあわせているからこそ,できることだなぁ,と感じながら舞台袖で参加していました.
また,今日のイベントでは,チケットのもぎり,案内誘導,ショップ,総合司会なども当事者の方々と一緒にしました.一緒に活動していると,両者が問題を感じたりバリアを感じることがあります.でも,それでいいのです.当たり前です.そこから何が生まれるか,がとても大切だと思います.
この2週間のイベントを企画したり,参加したりして,常に視線を相手にあわせることの大切さを学びました.

どれも,誰ひとり欠けてもできなかったイベントでした.本当にありがとうございました.

2014年9月19日金曜日

学びの1日でしたin福山

今日は三原を少し離れて福山で障害者の雇用について学んだ一日でした.

まず朝は広島県中小企業家同友会福山支部バリアフリー委員会の新入社員・若手社員フォロー研修半日コース.この研修会は福山,三原地区で特別支援学校を卒業した1年目から3年目の一般就労をした方,8名が参加して行われました.新入社員が仕事内容,仕事をしていて楽しいこと,驚いたこと,大変なこと,給料は何に使っているか,将来してみたい仕事は,などを発表しました.事業主が新入社員に聞きながら進めていくのですが,驚いたのが,事業主が新入社員のことを良く理解していることです.同友会の目的のひとつに「よい経営環境を作ろう」というのがあります.中小企業ですので,従業員の数も多くはありません.家族のような企業も多くて,障害者を雇用するということに対して「構え」のようなものがあった企業もあったようです.しかし,今日の発表を聞いていると,障害者とかいうわけではなく,普通に雇用をして,どちらかというと共に学んでいる姿が見えました.当たり前に行われている仕事,休憩時間の過ごし方,バーベキューや社員旅行,休みの日の過ごし方など,当たり前にしていることが,人にとって実は大切なことなんだ,と強調されるからじゃないかな,と思いました.仕事ができる,できないではなく,企業の中で共に成長する社員として迎えられていること,それは決して障害者雇用という名前ではなく,ごくごく普通に行われる雇用なんだなと感じました.
この研修会をとおして,あらためて雇用というのは地域や社会の中で行われることなんだな,と感じました.よく笑いもしたし,考えさせられもしたし,共に学んで成長することが本当にいいことだな,と感じました.

この研修会の終了後は,同じ福山のニューキャッスルホテルで行われている合同企業面接会をのぞきました.毎年一回.三原,尾道,世羅,福山,府中地区のハローワーク主催の障害者雇用をすすめるための合同面接会です.多くの方がエントリーして面接を受けていました.企業も,57社の参加です.この数年,私も数名の方をこの面接会で企業に紹介して,就職できた人,できずに他でチャレンジした人などいました.しかし,最近は,普段から企業の接点があるためか,合同面接会でのチャレンジは少なくなっています.ただ,こうやって多くの企業との接点をもてることは滅多にないチャンスです.


次に行ったのは,福山市に新しくできたE.R. Japanという企業です.この企業は,家電メーカーとリサイクル会社が合弁で作ったリサイクル,リユースを行う工場です.障害者が14名,健常者が10名と,いろんな方が働いています.仕事をサポートするジョブコーチさんとお話しながら,一緒に仕事をしながら共に達成感を味わっているんだなぁと思いました.ジョブコーチさんは長い付き合いなのですが,この方も自分のやっている仕事が楽しそうでした.ちなみにこの写真は,この企業が出しているおせんべいです.

そして,最後が沼隈にあるスワンベーカリー.三原にも同じスワンベーカリーがあるのですが,他のスワンベーカリーってどんなところかな,と思って見に行ってみました.スーパーの横にあるパン屋さん.価格はスーパーよりも高いですが,パン屋さんのパンはやはり味が違います.しかし,薄利多売の世の中.パンのような利益率が非常に少ない業種は多くの地域で競争を生んでいます.工夫が必要だったり,付加価値が必要だったりと変化も求められるのですが,地域に密着できているかどうか,が大きな鍵だなと感じました.お客さんの流れもとても良くて,家族の食を支えているパン屋さんでした.

障害者の雇用のことを学びながら,自分もこういう作業が仕事としてできることに喜びも感じました.きっと共に成長することが地域の中でできることが大切だなと.誇りを持ってみんなと仕事をしようっと.

2014年9月6日土曜日

やんばい会~広島就労支援交流会~しました

今日は午後からはふたつの勉強会があり,はしごしました.ひとつ目は作業療法士で就労支援について語る場の「やんばい会」.就労支援センターFLaT(フラット)の澤田さんが実践報告をして,その後,グループ討議をしました.フラットさんは,平成23年生まれのまだ若い団体ですが,プログラム重視の福祉サービスの中で,プログラムを持たず個別で,障害者が地域で働く応援をしています.応援の仕方が,とっても家族的な感じですし,なんと言っても,「やってみたい」からスタートできることが素敵です.この会では「働く」ことにテーマを置いていますが,「やってみたいこと」は多種多様です.ひとりひとり違います.それを認め合いながら世の中が成り立っていければいいなぁ…と思いました.参加者も多く,急に研修会っぽくなっちゃって面食らっていた発表者ですが,メッセージは随分伝わりました.
実は,今回の発表者の方が,まだ病院で勤務している時に,私はこの方が学会で報告する座長をしました.その時の発表は鮮明に覚えていて,締めくくりが,当事者の働きたいという想いを汲み取れていなかった,今後は,そういう自分の実践を変えるべく行動する,という報告でした.たしか,カープの本拠地のマツダスタジアムができた年じゃなかったかなぁ.それから数年たって,こうやって自分の作業療法をやってるってのがすごいなーと.それも仲間もできて.
いやー.私もがんばろうっと.

おまけ:昨日は三原の本町サッカーミュージアムでアギーレジャパンの初陣を見ました.一瞬だけ入ってきた中学生を含めて7名.負けましたが,まだ集まって数日.これからどういうチームになるか楽しみでした.…けど,おやつには中四国限定のカーププリッツ.美味しかったす.


2014年8月25日月曜日

祝!初イベント!


なんとなんと1ヶ月以上ブログを更新していなかった.久しぶりに書き込んでいます.
先週一週間はいつもの本町で「夏休みチャレンジウィーク」をしていました.昨年は「宿題塾」という名称でお昼からしていたのですが.今年は,もっといろんな作業をしていきたい,という想いと,午前に何か課題をすると昼の遊びが充実する…という意見から,午前中に宿題以外のことも一緒にする,という形になりました.とは言え,この企画はもちろんちゃんくすだけがするのではなく,県立広島大学作業療法学科の学生さんと行う企画です.学生にとっても授業で学んだことを少しでも地域で感じることができるし,私たちもそういう学生さんを見ながら,作業に焦点をあてて活動することの意義を住民に知れるようにするにはどうすればいいか…を考えることができます.

そんな最終日は「親子でチャレンジ」という企画でした.しかし,ふたを開けてみればあまり親は来ず,やっぱり子どもたちが楽しんでいました.この最終日は,ちゃんくすにとっては記念すべき日になりました.ついに,本町の住民の方と一緒に作っている「本町コミュニティファーム(仮称)」で初めてイベントをしました.昨年の今ごろは,この場所には私の背丈ほどある雑草で覆い茂っていました.こんなところで農園?建物改装?食べられる?できるの?と言われることもありましたが,ついに,子どもたちと遊ぶことができました.

ほとんどダッシュ村でして,手漕ぎのポンプで井戸から水を汲み,ペットボトルをつないでプールまで水を出し,たまった水で水風船を,これまた廃材で作った的に投げるという単純なもの.大人も,子どもも若者も一緒になって濡れてみました.

屋内ではこの農園で採れたシソをジュースにしたり,白玉ぜんざいを作ってみたり.涼も満喫できました.

一週間やっていると,新聞で報道されたこともあり本町以外の人たちが多く来られました.最大では,14名の方が来た日もあります.それほど,街のニーズにそってできたんだなぁ…と感じています.

地域というのは,ただそこにある,というだけではなく作業ができるようになって,はじめて地域というんだろうな…と感じた一日でした.ちゃんくすのみなさん.ありがとうございました.

2014年7月13日日曜日

障害保健福祉領域における作業療法士意見交換会in三原(その1)

この2日間は,ちゃんくすは全国から来られた作業療法士の皆さんと過ごしました.実践例の報告をお聞きし,意見交換.意見交換は懇親会も含めて長ーく長く続きました.
5月にこの意見交換会をすることが決まり,短い準備期間だったにも関わらず30名の方が三原に来られました.北は仙台.南は沖縄,遠くからのご参加に感謝です.

この領域で働いている作業療法士は少ないのが現状です.作業療法士というと,どうしても真っ先に思いつくのが病院.最近は高齢者などの介護保険の施設にも多く働いています.この会では,障害を持つ方々が住みなれた地域で,暮らしていけるように作業療法士ができることは何か,ということを言葉にして,実践や制度などの環境をどのように整備していくか,がミッションです.

現在の福祉領域は,相談支援,就労支援,生活介護などなど制度によって事業所が異なり,人を全体的に関わることが難しいです.また,障害者は障害者だけの施設,支援になってしまい,街の住民であるはずなのですが,ある場所だけに集まって支援を受ける存在になり,人の生き方に関われなくなっているような気がします.病気や障害は誰しもなるだろうし,健康という概念の元では,障害者や健常者というわけ方はしません.
みんなが暮らせる社会を創造するには,どんな人たちの社会参加も欠かすことはできないと思います.

今回の意見交換会では,そういう社会になるために(と勝手に思っていますが),地域で実践をしている作業療法士が実践報告をしました.どちらかというと,課題の方が目立ってしまいますが,豊かな実践をしているなぁと思いました.共通していたのは,医療で実践をしている中で当たり前の日常に疑問を感じ,それを解決するためには病院ではなく違うステージを求めていたこと.だけどそれは「地域の一個人」として普通のことができるようになるために,日々奮闘している,ということを感じました.

ただ,こういうことは別に地域で働いているから感じることではなく,おそらく病院で勤めている作業療法士も感じていることでもあると思います.いろんな実践を積み重ねている人たちで,同じテーマで話をしてみたいなぁとも思いました.

2014年7月3日木曜日

市美展に行ってきました

今日はよく雨が降りました.晴れの日が続いていたので草花はきっと喜んだことでしょう.しかし,雑草もその分元気になるわけでして,また草取りしなくちゃ.

さて.今日は雨の中福山までちゃんくすのみなさんで電車で行きました.目的地は福山美術館で行われている福山市の市美展.そうです.ちゃんくすに来られている方がなんと入選して展示されているのです.これは見ておかなくちゃ!ということで6名で鑑賞に行きました.

不思議なもので,時々ちゃんくすで描いていたのですが,こういうところに飾られるとメッセージが良く伝わります.上手い下手ではなく,そこに向き合ったかどうか,小細工は通用せずありのままの表現をしているかどうか,がよく分かります.いつもは控えめでシャイで,真面目の代表のような彼女も今日はアーティストのようでした.自由に表現できているのを見て,可能性というのはあらゆる場面で現れるんだなと感じました.

鑑賞した人たちも,そもそも美術館に来ることが滅多にないかまったくない方々だったので,とても刺激を受けていたようです.どこかの有名な画家さんが描くのではなく,自分達と同じ市民が描いているということで,自分にもできるんじゃないか…という感覚になったようです.

いろいろとできることが増えると,集団(グループ)のやってみたいことも増えるんだなぁ,と感じる一日でした.

2014年6月29日日曜日

チームパンタカさんにおじゃましました

今日はスペシャルオリンピックス日本・広島の自転車のチームパンタカさんの練習に参加するために広島空港の中央森林公園に行ってきました.ちゃんくすに来られている方の趣味とするスポーツに「サイクリング」と答える方は多くいます.趣味をもう少し背伸びして競技としてできないかな?と感じて探してみると,このチームに行き当たり,今回の練習会の参加になりました.もちろん.私は引率でして,ちゃんくすを利用している方が体験で参加しました.

この中央森林公園は,広島アジア大会(多分平成6年くらい)の時にサイクリングの競技会場として整備されたもので(と思う),健脚コースは12キロのアップダウンのあるコースです.バンクは結構きついのもあり,飛行機を見ながらのコースでもあります.

参加してみると,おそろいのユニフォームに競技用の自転車.歩くとカチャカチャとなるスパイク,そしていかにもアスリートな足の肉付き…競技をしている感じ満タンでした.私なんかにはとても及ばない体型で颯爽と自転車に乗り込んでいました.人数もけっこう多くて圧倒されました.しかも.今回初参加で自転車を持って行ったにも関わらず,なんと空気入れのバルブ部分が折れてしまうというアクシデント!しかし,このチームのすごいところは,自分ができないことは人に頼ることができる,といきなり言い切ることです.普通なら,大丈夫大丈夫とか声をかけるのですが,任せなさいモードです.タイヤのチューブは種類と大きさも様々で,同じ型のしかはまらないのですが,偶然にも同じ型のタイヤがあり交換してすぐに走ることができました.トラブルから回復するのって大事だなーと思いました.

タイムトライアルから,健脚コースのツーリングなど,2時間たっぷりのメニューをこなしておりました.このスポーツのいいところは,とにかく単純で「こいでこいでこぎまくる」ことの繰り返しです.普段から自転車に乗る機会に恵まれるし,ツーリングで遊びにもいけるし,サーキットもできるし.いろんな環境でもできるスポーツだなーと思いました.個人でも集団でも楽しめるし.

ハードな練習をしているといろんな人が声をかけてくれます.当たり前なのですが,自転車は移動するスポーツなので,いろんな人と出会うこともできます.励ましたり励まされたりだなぁと.

私はというと飛行機を眺め,時々歩いたり走ったりですが基本はおしゃべりといくつかの声援と送迎.次回は自転車持っていこうっと.

2014年6月25日水曜日

カープ勝ったー!


チョー久しぶりの投稿になりました.この一ヶ月もあっという間に過ぎました.早くも6月も終わりに近づき夏を感じる季節になりました.
この週末にちゃんくすは初めてバスをお借りしてカープの試合観戦をしました.バスは,いつもは特別支援学校の通学に使われるバスをお借りしました.前日の天候は雨.当日も朝はしとしとと雨が降っていました.それもそのはず,このカープ戦の企画はチョーがつくほどの雨男くん.まさかの中止か?と思っていたら,天気予報どおり午後から雨は止み,暑くもなく,日差しも厳しくなく観戦できました.

今回の観戦には大きなミッションがありました.それは,全員で行って全員で帰ること.みんなでひとつのことをすることは,ちゃんくすでは結構難しいことがあります.しかも,今回は車いすで移動して,ぎりぎりで観戦ができている方が参加します.反対もありました.ちょっとくじけてやめようか…と思うこともありました.下見にも行ってもらって,バスには球場のまん前までつけてもらって,呼吸器の予備も持って.それでも正直私は安心できなくて,そわそわ.試合には集中できず…でした.でも,みなさんが楽しそうに応援していて,心配しているようなこともまったくなく,どころか,本当に熱中して応援しているのを見て安心できました.

体調やら,バスのことを考えると7回で帰らなくちゃいけません.試合は白熱した同点のままです.とても後ろ髪ひかれるし,熱心に応援している姿を見るととても帰りそうにもありません.でも.帰りますーの一言でみなさん試合を後にバスに乗り込みました.

帰りのバスの中で,サヨナラホームランをラジオで聞き,バスの中でそれいけカープを歌って帰りました.

球場では,ホスピタリティスタッフが車いすの方を誘導してくれました.バスの運転手さんは私たちのわがままを笑って迎えてくれました.バスの乗降のところにいたスタッフは,また来てくださいね.と言ってくれました.ほぼ満員のお客さんの中でも迎えてくれた球場の人や渋滞のバスを運転してくれた運転手さん(いつもは特別支援学校のバスの運転手さん).ありがとう.

全員で行って全員で帰ること.簡単なことですが,できるととても嬉しいですね.当たり前のことができた一日に嬉しさを感じられることが幸せなんだなーとあらためて感じました.

2014年5月25日日曜日

やんばい会はじまる

  

久しぶりの更新になりました。昨日、24日(土)は広島市の瀬野川病院近くの就労し得ん施設のいえさんで、広島県の作業療法士の有志で作った広島就労支援交流会「やんばい会」の初回でした。やんばい会は作業療法士で就労支援に興味のある人たちで作りました。今回を含めて年間4回実施する予定です。
昨日は三原病院で就労支援、デイケア、病棟、訪問など多くの業務をこなす鎌田さんに発表者になっていただいてお話をうかがいました。日ごろの実践、考えていること、疑問などをお話いただき、その後グループディスカッションです。
私が感じたのは、就労支援というのは、一体全体どこから始まるのかな?ということです。医療にしろ、福祉にしろ対象者は患者さん、クライエント、当事者なので当然、当事者の方から始まることが原則のようなものだと思います。しかし、社会からは障がい者にも就労を期待されていますし、おそらく支援者の多くの方も就労できれば、と感じているかと思います。働いて自立するということは社会の中では当然のことでもあります。働いて納税者になることも期待されます。ですので、どこからでも「働く支援」というのは行われなければなりません。が、実際はなかなかそうはいきません。働く支援は就労支援施設で、とか、医療は治療する場だ…など意見はさまざまです。
医療や福祉など「場所」で支援する内容が区切られているからきっと就労支援の始まりが見えづらいのでは…と感じました。病院だから、福祉だからではなく、当事者や周囲の人が、こういうことをやってみたい、というところがスタートになって、それがすぐにできるような環境を整えることが必要かな、と感じました。働く支援はとってもチャレンジなことです。そのチャレンジがたくさんできるようになっていければいいな、と感じました。次回は8月下旬か9月上旬です。もう少し人が増えればいいな。

ちなみに、この日の昼食は就労支援施設でお好み焼き屋さんをしている「のいえ」さんでいただきました。ヨーロッパ風の建物でお好み焼きもいけるもんです。そして、発起人のお一人が偶然かな前日がお誕生日。ということで、サプライズ的なお好み焼きにロウソク。のいえさんありがとう。

2014年5月5日月曜日

大崎上島に行きました

このゴールデンウィーク。ちゃんくすは…というか私は会議をひとつ抱えていました。会議のお相手と話をしていると、なんと大崎上島に行くとのこと。それも農家さんへのお礼に…と。静岡は浜松のくるみっくす(http://kurumi.sub.jp/brand/kurumix.html)は柑橘類でジュースを障がい者のみなさんが作っています。瀬戸内のレモンを使って商品開発をしているそうです。まさかこんなところでつながるとは!ということで、図々しくも会議の前について行きました。それもちゃんくすのスタッフと一緒に。農家さんを一緒にお訪ねすると、なんと他の県からのIターンで島の生活に魅力を感じて移住してこられた方々でした。そこから話はずいぶんと長ーくさせていただき、生産者と加工する側の想いや具体的な方法など、たくさんの話をしていました。点と点がつながると新しい何かが生まれますね。わくわくしました。ちゃっかりちゃんくすも少し加われそうです。その生まれる場所は、島の中にあるコミュニティーカフェ。なんて言うかな。場所ってやっぱり必要ですね。こういう話ができる環境があることがいいなぁと。
大崎上島には障がい者就労支援施設がしているパン屋さんがあります。そこも見学させていただきました。普通のスーパーの中に店舗を構えていて、とても良かったです。たくさんの出会いをして、会議もまとまって。うーん。ゴールデンウィークですが、とっても楽しめたお休みでした。こっから下…うまくいくかな。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.738666026185381.1073741829.258332610885394&type=3

2014年4月28日月曜日

斉藤工房のプレゼン終了!

斉藤工房のオメガの会での発表会が終わりました.このオメガの会はまぎれもなく音をこよなく愛する人たちの集まりでして,斉藤工房としては,お客さんに発表することはあっても,玄人の方々に自作を発表するのは初めての試みです.しかも,スピーカを置いてプレゼンテーションも行います.正直,見ている,聞いているほうがハラハラドキドキでした.

このオメガの会との出会いは,斉藤工房が新聞に掲載されたときが発端です.その時にすぐにそのスピーカーを見に来ていただいた方がいました.その方が,ぜひともオメガの会で出品してみたらいいよ.と言われたのがきっかけです.しかし,なかなか実現しませんでした.コレといって理由があるわけではないのですが,斉藤工房も私もまったくその気になりませんでした.しかし,先日,行ってみない?とたずねると,「行く」ということだったので参加してみました.

みなさんの評価も上々.何よりも一所懸命に説明する彼の意見を聞いてくれて,コメントしてくれて…こんな感じとは思いませんでした.斉藤工房の世界も少し広がったことでしょう.視界も良くなったようです.お疲れさまでした.

2014年4月9日水曜日

春のめぐみ

今日は日中はとっても暑かったです.桜も散り始め(って今年はあまり見ていないが),春がやってきたって感じです.
今日は嬉しいことがふたつありました.ひとつは,この数ヶ月がんばっている本町農園.野菜が出来上がって,惣菜部を立ち上げるべく,お惣菜作りの研究をしています.まさに春のめぐみをいただけるという言葉がピッタリです.この中で本町農園で収穫された野菜はリーフレタスのみですが,他もだいたい三原産のもので調理されています.本当に美味しかった.栄養士さんが上手でして,味付けや食材もイレギュラーなものを使っていて,サラダにはレモンとらっきょが入っていました.いやーいい昼食でした.

もうひとつ嬉しいのは,本町農園で作業をしていたら近所の人たちが集まってきたこと.話し始めたら,昔の仕事の話になって,ちゃんくすの仕事にも充分つながる仕事をしていて驚きました.もしかすると,今から建ち始めるカフェに取り入れるかも…,昔の(その方の)作業が将来の作業につながるかも…,と思い始めるとわくわくします.作業をしているといろんな出会いがあります.時間を越えて出会いがあったような気がして,その方の近くで建て始めたことも偶然じゃなくて,そういう具合に仕組まれていたんじゃ?と思いました.

やはり地域で作業に焦点をあてた活動をすることは,地域の交流につながるなぁと感じます.もっとつながると嬉しいでしょうね.

2014年4月6日日曜日

マーくんはすごいや

桜も満開の週末でした.今年は天候が悪く,まさに花冷えという言葉がピッタリの週末でした.でも,多くの方が桜を眺めて新鮮な気持ちになっていたようでした.そんな週末.私はここ最近数字を眺めることが多いです.

『道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である』

とは,二宮尊徳さんが言った言葉.どんないいことも経済活動を続けられないと寝言にしかならない.という意味だろうと私は解釈しています.これが難しい.と今とっても感じています.ちゃんくすを利用して,自分の目標となる社会参加ができるようになって,来なくなると当然収入も減ります.困っている方も来られますが,逆に出すほうが多くなっているようにも思います.これは,実はいいことなのですが,活動としては変わっていかなければいけない転機にもなっています.

どのような方向に変わっていくのか.立ち上げた当初は勢いもあり,振り返るのではなく前に前に…でした.しかし,年月が経つと限界も見えてきます.うまくいかないこともあります.

そんなときにメジャーに行ったマーくんこと田中選手の第一戦目を見ました.明らかに球は来ない.打たれる.勢いがつかない.そんな投球を再放送で見ました.しかし,試合の途中にも関わらず,キャッチャーと話して配球を変えて欲しいと言ったそうです.試合の途中に配球について話し合い修正してくるピッチャーはそんなにいません.だいたい,キャッチャーが配球については主導権を握ります.そこを,田中選手は自分から修正を求めて話し合い,修正の結果,自分のピッチングを取り戻し勝ち投手になりました.

やりながら変えていけることはなかなか難しいです.妥協を許さない強い態度,勇気,相手の尊重.自分を信じる力.マーくんの投球を見ていて,本当にすごい人だな…と思いました.

でも,ピッチングは投手と捕手で行いますが,ちゃんくすは自慢できるスタッフもいます.成長していくメンバーさんもいます.いろいろと声をかけてくれる地域の人もいます.ひとりではない,というのがこんなに心強いとは….

2014年4月3日木曜日

ちゃんくすサイクリング2014春~大三島へ行こう~

昨日ですが,4月2日はちゃんくす年数回のサイクリングでした.この企画は,なんといっても圧倒的に人数の多いチャリンコ大好きの方々のイベントです.チャリンコといっても普通のチャリンコじゃありません.ロードレース用の自転車を持っている方が多く,中には15万円くらいするような自転車もあります.そんなチャリンコ好きな方の作業で,ひとりで走るよりは,何人かで走った方が楽しいという「やってみたい」の作業に焦点をあてて今回のサイクリングになりました.初心者の人でも参加できて,ロードバイクでも楽しめる.また,遠距離のサイクリングをしてみたいという方々の作業があわさって今回の企画になりました.

企画したのはベテランの方が作りました.初心者でもいけるであろう距離と坂道の状態.経験者も適度に疲れるようなコースということで,三原港~フェリー~因島の重井港~自転車~生口島大橋~生口島(瀬戸田には平山郁夫美術館あります)~多々羅大橋~大三島道の駅~大山祇神社~同じ道を帰る.というルートでした.走行距離はなんと60KM!しかも,スタッフ合わせて12名という大所帯での移動をしました.

正直なところ初心者には難しいのでは・と思っていたのですが適度に休めて適度に走れる道でした.全員事故なく完了.自転車のチェーンが外れるというアクシデントもありましたが,なんとか完走することができました!

普段はおとなしい人でも好きな作業,お友達も作りやすく最後は仲間同士で走っている方もいました.なんといっても参加者の年齢は中学生から高校生くらいまでの方.スタッフは30歳代,40歳代...追いつけるわけありませーん.ということで,かなり年齢を感じるサイクリングになりました.いやーしかし,気持ちよい天気でしたが,筋肉痛もすごかです.

2014年3月30日日曜日

ちゃんくすから卒業

春なのに.お別れですか.春なのに.ためいきまたひとつ.中島みゆきが作って某歌手が歌ったこのとき私は中学生でした.桜も満開.別れも出会いもある春です.ちゃんくすは,だいたいこの時期に別れを経験します.進学,就職,復学,転校などなど,転機を迎える方が多いです.

「作業ができるようになること」を地域の中でみんなに見られながら,みんなに関わりをもたれながら達成することにちゃんくすは力を注いでいます.今年もおひとり,遠くに進学します.義務教育時代は本当に悩みぬいた親子.中学校のときは一緒に死のうとまで考えていた時もあったとか.高校に入ってからは,お友達との出会いが彼を変えていったように思います.自宅が少し遠いのですが,ちゃんくすのイベントのときは原付でどこへでも来てくれました.
最初.彼には,これといった目標はありませんでした.将来なんになるのって言われてもねぇ…という感じです.ですので,いろんなことを体験してもらいました.夜遅く,朝早く.時には雨に雪に….どんなときでもやってきて参加してもらいました.ちゃんくすも,そんな彼を当てにしてイベントをしたこともあります.彼ならやってくれるだろう.彼ならやれるだろう.任せてみよう.もありました(というか,任せるしかなかった).
高校2年生くらいから目標を見つけるようになりました.見つけられたら即,実践でした.大学祭で出店して稼ぎ.開業している方に教えてもらって自分のなりたい姿を感じてもらいました.
そして.卒業です.同じ日本.何かあったらまた会えるわけだし.でも.ためいきまたひとつ.

ちょっと遠方の高校に通学が決まった方もいます.きっと,お会いする頻度は空いちゃうだろう.彼には学習という意味を本当に教えられました.目的があればいくらでも学習できる.やる気スイッチが入ったときが伸び盛り.スイッチを随分押せるようになったなーと思うと,もう自分の足で歩けるようになっていました.でも.やっぱり.ためいきまたひとつ.

文化人類学者のマーガレット・ミードさんは,その著書の中で….
「もっと豊かな文化、対照的な価値観に富む文化を築こうとするなら、人間がもつありとあらゆる潜在能力をすべて認識しなければならない。そのようにして、独断的でない社会という織物を紡ぎだすのだ。その中では、一人ひとりの才能がそれぞれにふさわしい場所を見つける。」と書いていました.ひとりひとりがそれぞれにふさわしい場所を見つけていけてるようです.

春ですなー.

2014年3月27日木曜日

44回目の誕生日でした

昨日は私の44回目の誕生日でした.いろんな方々にお祝いのメッセージをいただきました.ありがとうございました.

ちゃんくすを設立して4年が経ち本当にいろんなことが起こっています.そのひとつが資金繰り.ちゃんくすの「やってみたい」をかなえるためには当然人件費や活動費などのお金が必要です.社会的な課題にチャレンジしているので,どうしても委託費が多いです.この委託費は多くの場合はいわゆる立て替え払いが多いです.支払った後にお金が精算されて戻ってきます.当然活動すればするほど,この立て替え払いが多く,実質上トントンの経営状況でもいったんはお金がマイナスになっちゃいます.昨日,会議の場でご一緒した広島県のNPOセンターの方にそのことをお伝えすると,「うちもそうです」という言葉.どこも活動すればするほど,このような状況になってしまいます.悩んでいるのはうちだけじゃないんだという安堵感もありましたが,なんとか解決できないかなあ,と思いました.

また,昨日は三原市まちづくり推進協議委員会の年度末の慰労会でもありました.この委員会は,文字どおりですが,三原市まちづくり推進課から委嘱された委員会でして2年間の任期が終わりました.三原市では市民協業のまちづくりを掲げていて,住民のによる市政参画,地域課題の協業した取り組みを推進しています.しかし,今年度の三原市役所内の整理もあり,「まちづくり推進課」がなくなってしまいました.なくなるといっても,委員会は存続するし,内容も他の課に再編されるので,まったく問題はないのですが,私がとっても残念なのが「まちづくり推進課」という名前がなくなることです.名は大意を表すと言うのですが,これほどわかりやすい名前はないし,縦割りの行政の中をひとつに名の元で横のつながりを持たせるような名称だったように思っています.

委員そのものは継続ですし,私も継続して委員に立候補しています.しかし,看板の名前が変わるとなんとなく意識も変わります.できればこの名前は残して欲しかったなぁ…と思いました.

写真は,その委員さんの慰労会の一こま.町内の代表,団体の代表,行政の代表.いろんな方々でこうやって遅くまで語り合えるのが,まちづくりのひとつです.44回目の誕生日の1日はこうしておそーくまで話し込みました.本当にみなさん.お疲れさまでした.またよろしくお願いします.

2014年3月12日水曜日

就労体験の報告会と講演会

昨日,3月11日は三原市が行っている就労体験事業の報告会と研修会でした.この事業は一年かけて三原市が企業にアンケートをとって,企業での実習の場を提供するものです.働くことの腕試し,自分にあった仕事を見つけること,働くことを体験をとおして学ぶことが目的です.今年も多くの方が体験して,今日の報告会で発表していただきました.初めて働いてみた方,これまでも実習の経験がある方.それぞれの言葉で発表していました.楽しかったり,きつかったり,気づきがあったり,感想も様々です.もっと多くの人が体験して,自分なりの働き方を見つけるきっかけになればなーと思いながら司会をしていました.
後半は,福山市にある建内建材店の建内さんの講演を聴きました.様々な視点からの講演でして,会社で雇用している障害者のこと,自身の幼少期のこと,ご家族のこと,中小企業と雇用のこと,などいろんな角度から会社や従業員のことを捉えていました.障害者雇用ではない,単に従業員を雇っているだけだ.確かに働くスピードは遅いかもしれない,しかし,そんな方と仕事する中でどうすれば仕事が効率よく終わるかを従業員全体で考えると,全体でプラスになった.などのお話を聞くことが出来ました.障害者雇用は経営者の素質を試される….そんな気持ちになりました.
1日を通していろんな方の働き方を知ることができました.働くってのは,みんなチャレンジだなーと思いました.みなさん.お疲れさまでした.ありがとうございました.

2014年3月9日日曜日

視点の違いか

facebookではウォールに書き込みましたが,先週金曜日に青年社会活動コアリーダー研修会というのに参加しました.主にデンマーク,イギリス,ドイツ,ニュージーランドから障がい者の就労に関係する人たちが参加していました.日本で障がい者の就労支援…というと福祉施設か行政か,という感じでしょうが,そういった人たちは少なく,弁護士,起業した人,特別支援学校の教頭先生,などなど様々な背景の人がいました.
全体的に感じたことは,日本でも今回参加した国でも起こっている現象は似ているなーと思いました.ただ,決定的に違うのが,問題意識でした.
就労にしても教育にしても当事者の人たちが,社会参加の機会を阻害されることが問題,という問題意識です.障がい者だから,特別支援学校や学級に行くこと,就労支援施設に行くこと,障がい者雇用をされることが仕方がない,とは考えていませんでした.本人が決定して,失敗するのも本人.というものでした.いわゆる普通です.チャレンジする場,機会を奪われることが「障害」であり,社会的排除(social exclusion),や社会的包摂(social inclusion)という言葉が飛び交っていました.通訳さんもこのニュアンスの違いがわかる人で,本当に日本を含めて5ヶ国の社会背景の違いから来る言葉のニュアンスの違いを必死に説明していました.
多くの国では,働く場が見つけにくい方々は労働者生協のような組合に加入したり,自分でNPO法人を起業している人も多くいるようです.
ニュージーランドから来られた方は,いわゆる健常者ですが,彼女の上司は知的障害者だそうです.日本ではなかなかありえない話.

個人の作業ができるようになる機会をどれくらい実現できるか.作業的公正,作業的不公正という言葉があり,個人が作業的にちょうどよい状態であるかどうか,をあらわす言葉も作業療法の中にはあります.障害があってもそれが気にならない社会になることが目標だと再認識しました.

今回,参加したイギリスの方のうちのおひとりは筋ジストロフィーで電動車いすで来られていました.起業していてインターネット配信の出版物を作る会社だそうです.まぁきれいな紙面だこと.いろんな可能性を伸ばせる社会でありたいですね.

http://odi.dwp.gov.uk/docs/fulfilling-potential/aspire2-2.pdf


2014年3月1日土曜日

交流の1日

久しぶりのブログ更新になりました.ここ最近忙しいというか,考えることも多いというか,で夜もなかなか落ち着きませんでした.

今日は,ふたつの行事があっていました.ひとつは三原市の精神保健福祉ネットワーク「こころネットみはら」の「こころネット祭り」.今回から県立広島大学で行われていたものが駅前の保健福祉センターでの開催になります.私は当事者発表のお手伝いをしました.昨日は全盲の落語家,桂福点さんの講演会を聞きました.その時の話も今日の話も,周りに理解者がいれば,障害者が障害を感じることなく生きていけるというものです.少しでも何に困っているのかを聞いてくれれば,救われる気持ちになるかもしれません.人はひとりでは生きていけません.自律ではなく他律.人に助けられながら生きていくことを良しとできればな,です.考えてもみれば私もたーーくさん助けられて生きています.当たり前なんでしょうね.

それから,今日は三原駅周辺でひな祭りのイベントが行われています.これは,今年初めて行うイベントです.ちゃんくすもお手伝いしています.Yフットボールミニミュージアムを臨時開館させてもらってサッカーぜんざいを振舞っています.このイベント.ちゃんくすがお世話になっている本町でも行われていますが,できるだけ,自分達が何かをするのではなく,市民の中で何かする人でお客さんをもてなす…というコンセプトがあります.町にお客さんが来て,町の人がもてなすというものです.そうすれば,いつも人にやさしい町になるかもしれない.もっと違う魅力がでるかもしれない.そんな意識もあります.残念ながら,私はずっと関われないのですが,合間合間にチラチラと見て回りました.さすがにひな祭り.普段来られないような人が町を歩いていました.いろんな人が集まり,交わることで新しい見方やアイデアも浮かぶかもしれません.

今日のNHKのスポーツニュースで「スペクトラム」という話がありました.連続体です.勝者がいると必ずそこには敗者がいます.敗者がいるから勝者がいます.障害のある人も,ない人もスポーツという競技の前では,障害はあまり関係はありません.オリンピックとパラリンピックだって,競技をして敗者と勝者を決めるのですから分けられているけど,本当はそのスピリットに則れば同じ時間を共有して開催する方がいいはずです.

町もスペクトラムのはずです.赤ちゃんもいれば年頃の人もいれば,高齢者もいる.それを制度とかで切り取っていくから,生きていきにくくなるんじゃないかな.
私の中では,今日のこころネットも,ひな祭りイベントも実は同じテーマ.交流でした.それをあらわす一枚が冒頭の写真です.本町のおかみさんがみんなを迎え入れています.
明日は広島県作業療法学会です.交流もできるのかな.

2014年2月16日日曜日

サッカーカルタ

先週末に行われた神明市では雪に泣かされましたが、この週末は関東や北陸はとっても大変みたい。お見舞い申し上げます。

先週はとても多くの行事に参加しました。木曜日は広島市で行われた第44回中小企業家同友会の全国研究会に参加。多くの分科会があり、私は障害者雇用を考える分科会に参加しました。同友会といえばグループディスカッション。いつもは、その場での参加だけなのですが、今回は初めてグループ長をしました。グループの時間はなんと前半30分、後半100分。みなさんで話をする流れをつくらなければ…と思いながらですが、じたばたしても仕方ないので、自然体でやっていこうと思いながらグループ長をしました。参加されている方々が非常に協力的でして、私自身とても勉強になる時間でした。障害者雇用というと、企業の責務だとか、負担を引き受ける…というようなイメージもあるかもしれません。しかし、障害者を雇用するということは、従業員の良いところを見極め、仕事にあった環境づくりをすること、従業員の中にも役割を与え、ともに成長する集合体(企業)を作りあげるという経営者としての資質が試されている、とあらためて感じました。

金曜日は、障害者のサービス支給決定を行うための区分判定審査会の交流会に参加しました。他の審査員の方は、医療や福祉など地域を代表する方々。交流会を通じて情報交換をしたり、普段話さないような趣味の話をしたりとリフレッシュできました。来年度から、この区分判定は大きく変わります。この区分判定で、当事者の方々のサービスの質も量も変わります。しっかりと予習しておかねば…と気を引き締めました。

土曜日は、午前中は子どもオリンピック。駅前広場で餅つきをしました。いつも遊びにくるお子さん達だけでなく、お母さんやお父さん、地域の方々ももちつきを見に来たり、食べていただきました。餅米も、地域の人が持ってきてくれたもの。ウスやきねもお借りしたもの。とにかく準備をしてくれたスタッフに感謝です。同時にしし汁(豚肉の代わりに猪の肉が入ったものなどもしました。いやはや。お腹いっぱいでした。
午後からは、サッカーミュージアムで学生さん達が企画したサッカーゲーム大会。ちゃんくすを利用する方々も一緒にゲームをしました。残念ながら地域のお子さん達の参加はありませんでしたが、時々、こういう形で地域の資源である場所で若い人たちが活動する機会を作ることも必要だなと思いました。

そして、今日は御作事町内会のお祭りのボランティア。ちゃんくすの利用者の方々も参加して、地域の人たちの輪に入りました。うどんコーナーを手伝いましたが、陽も暖かくて気持ちの良い時間でした。

こうやっていろんな人たちと触れ合いながら仕事ができる喜びも感じながらの1週間でした。今週もどんな出会いが待っているやら。楽しみにしながら、明日からまたがんばろうっと。

長文。最後まで読んでいただき感謝です。

2014年2月9日日曜日

神明市でした


昔,経済動向を見るために始まったと言われている神明市も終わりました.今年はいくつか新しいチャレンジをしました.ひとつは,民生委員さんが行っているだるま市を手伝ったこと.準備の木曜日から片付けの日曜日まで4日間.もう20年近く行っている活動の仲間入りです.縁起物の「だるま販売」という地域の伝統的な作業に参加することになりました.お祭りはいろんな意味で地域の潤滑油のような役目をします.その中に入ることで,また地域の一員になれたような気がします.そこに,なかなか社会参加ができない方,若い方がいっしょにすることで,また新しいことが始まりそうです.
また,だるまパンの中のジャムをさぎ島でとれたみかんを使いました.これまでは他の企業のジャムを使っていたのですが,さぎ島でみかんを取るきっかけがあったのと,そのみかんを使って新しいことが出来ないか,というイメージが形になりました.島も高齢化していてかんきつ類の果物が出来るものの,収穫に人手がいなかったりして使われないままにあるみかんもあるそうです.それを少しでも人に口に,地域のイベントの価値を高めるのに使えたことが嬉しかったです.
だるまパンも3回目の出店になると,昨年はこうだった,今年のはこうだ…と意見ももらうことも多くなりました.こうやって地域に鍛えられながら活動できるんだなぁと嬉しくも感じました.
そして,これまでもだるま製品を自主的に作って販売していたのですが,今年はちゃんくすで作るのではなく,委託販売を多くしました.だるまビーズは完成度も高く,おみやげに最適なのか,とにかくほとんど売れました.だるまストラップも結構な品数が出て行きました.だるまのメガネ置きも注目度が高く,さをり織りのかばんも色が春らしくてよいと言われていました.
活動場所も日数も増えると,当然かける人も増えます.今年は3日間だけでも,ちゃんくすの利用者さんとスタッフあわせてのべ47名(16名)が関わってできました.人も場所も増えると情報の伝達も難しくなりますが,そこはチームワークで行きたいと思います.
活動場所を提供していただけるみなさんに感謝しながら,今年の神明市も無事終了です.

2014年2月3日月曜日

大分県におじゃましました

この週末は大分に行ってきました.二週連続の九州.それも,今回は私の大好きな大分県.高校時代に山登りにしょっちゅう行ってました.鶴見岳,となりの伽藍岳.あの後ろには由布岳があって,その向こうには久住の山々があって,そこを超えると阿蘇が見えて….山登った後に温泉に入って….そんな大分に仕事で,それも講演をしに行くとは思いもよらずです.

土曜日は私のわがままで二ヶ所ほどデイサービスを見学しました.お子さんの通う所と,高齢者が通う所.どちらも地域住民が暮らす場にありました.最近,感じるのですが未来を感じることができる仕事をしている人,企業は本当にすばらしいなと思います.切り開いている感じがあって,とても新鮮です.ただ,どちらのデイサービスもなかなか真似できません.作業療法の実践の中で持っておかなくちゃいけないいけない視点,技を見たように思います.経験だけでなく,他の人の考え方も参考にしながらの実践でした.いやはや,すごいです.

また,学会の前日であるにもかかわらず,県士会主催の新年会(今ごろ?).約70名くらいの方が参加です.このエネルギーにも驚き,同級生に妹がいるのに驚き,二次会にも約半数が来たのにも驚きました.さすがです,

翌日の学会の講演は,ちゃんくすの活動について報告しました.前日に懇親会があったにもかかわらず多くの人にお聴きしていただいて報告してて嬉しかったです.それはさておき,私以外にも講演では,大分県の介護保険事業のこと,県士会としての活動報告などありました.どれも,仕事としてはとても重要なものです.県として,作業療法士として,作業療法士の団体として何をしていくか…を考えさせられました.

私の講演を聴いていただいた県立広島大学の近藤先生の言葉,作業療法士の免許が前に来て働く(医療とか福祉は作業療法士の資格がいるということ)のではなく,免許が後から就いてくる様な仕事をよりするべきだ.という言葉が渦巻いています.

学会長を始め,スタッフの皆さん.本当にありがとうございました.

2014年1月29日水曜日

壱岐でいきいきと…

強行スケジュールでしたが長崎県は壱岐市に行きました.三原から博多まで新幹線.乗り換えさえよければなんと約1時間30分.博多駅から博多港のベイサイドプレイスまで徒歩で約30分.バスで渋滞がなければ15分くらい.ジェットフォイルという高速艇ヴィーナスに乗って70分で壱岐までたどり着きます.ですので,三原から3時間もあれば九州の島に到達します.行政区でいうと長崎県ですが,地理的に一番近い陸地は佐賀県から70キロの海上.さらに70キロいくと対馬.さらに70キロ行くと韓国の済州島になるそうです.商業圏域でいうと福岡県.言葉(方言)はばりばりの長崎でしたが.空港があって長崎県の大村にある長崎空港まで15分.意外とどこの地域からも近いです.島の人口は約2万9千人.最盛期は5万人いたそうですので例にもれず過疎化が進んでいます.

島にあるものは…というと,海に囲まれているのでもちろん漁業が1番です.捕れるのは高いものでブリらしいですが,イカやサワラもよく漁が行われています.ただ,それだけでないのが,農作物もたくさん採れます.平坦な島(最高でも200m)ということもあるのでしょう.田んぼだけでなく,野菜,果物も作っています.メロン,アスパラ,葉タバコなど,ここで有名なものもあるそうです.

牛さんもいたし,真珠の養殖など,おそらく食料などの自給自足率はめちゃ高いのではないかな?魚,貝類,野菜,果物,お肉など本当になんでもある,というのが第一印象でした.

地形も平坦で1番高い標高で200m級の山.入り組んだ湾などの風景は絶景でしたし,なんといっても海がきれい.潮が早いからなのでしょう透明度があります.

用事があって行ったのですが,ほとんど強行突撃隊でして,現地でいろんな人に話をお聞きしました.あのことは,誰に聞けばいい,このことはこの人が知っている…などいろいろ教えてもらいながら,帰りの船の時間ギリギリまで島の人とお話ができました.お会いする方の中には,偶然ですが,数年前に尾道で生活していた方もいました.

ある目的があって,人を辿っていくとそこに新しい出会いがある.そこからひろがる世界はたった一日なのに夢のような現実じゃないような時間.こういうのはデジタルではできないよなー.

こういう瞬間があって,またいつもの時間が輝くんだな.ただ…やはり一日じゃ物足りないなぁ.


2014年1月21日火曜日

神明市のチャレンジ

ちゃんくすを立ち上げたのが2月26日.三原の2月といえば神明市.今年もちゃんくすは東町町内会さんのご協力を得て販売ブースを設けます.場所は毎年一緒の場所.ここで出店させていただいて3回目になります.3年前から始めた「だるまパン」.今年はこのブログにも書きましたさぎ島のかんきつ類を使ってのジャム作りをしています.みかん,はっさく,夏みかん,レモンなどで味を確かめています.

それから,今年も「神明市手ぬぐい」を作っています.今年は三色三種類を作っています.製作も,今年はいろんなところと連携しながら,障害者就労支援施設で作ってもらっています.すべて手作りでして,ひとつひとつ消しゴムハンコスタンプを押しています.

ぜひみなさん.三原にお越し下さい.2月7日~9日.今年は東町だけでなく,三原駅の中の駅中店もオープンする予定です.少しでもちゃんくすの活動を見てもらえるようにがんばります.ぜひとも三原にお越し下さい!

2014年1月19日日曜日

障害福祉に関わる作業療法士の意見交換会参加

この週末はちゃんくすをお休みして,スタッフ3名で東京まで研修に行ってきました.作業療法士協会の意見交換会でして,就労支援施設や相談支援事業所など,福祉の領域で働いている作業療法士7名が発表をしました.私もそのひとつに加えていただき,発表もしました.

一番感じたのは,地域の中で福祉分野に携わる方々の多くが,地域には障害があるも,ないも関係ない,ということです.障害者に対するサービスを提供しているのですが,施設で働いていてもとにかく外部との接触の多い仕事をしています.商品の受注,発送先,協力者,ボランティアなどを通じて街と出会い,地域の住民と一緒に「作業」をしているといました.障害者も,地域の中の資源として,できないことも多いけど,できること(可能性)を見つけてそれを伸ばし,社会参加のチャレンジをしていました.社会人として,みんなが対等というか,そんな感じです.

この感覚は,障害者雇用を促進している社長さんや従業員の方と話したときにも感じた感覚です.ひとりの戦力としてお付き合いをしていますし,お互いを尊重し合える関係になっているようです.

作業療法士はそれを演出するプロデューサーみたいです.地域のリーダーになり,できないことよりもできるところに着目する.地域の役割を作り出し,相互作用しあいながら活動していました.結局はまちづくりに近づいたかなと思います.

制度にも多くの課題があって,解決が期待されるもの,作業療法士として関わっていかなくちゃいけない視点とその制度上の保障を獲得していく,という議論もあり,多くの宿題ももらった気がしました.

私たちの活動も,このような広い視点を持ちながら活動しなくちゃです.一泊二日の研修.学びもですが,笑いも絶えない会になりました.またいつかこのメンバーでどこかでお会いできたらいいな.

写真はちょっと時間があったので歌舞伎座へ.中村勘三郎はこの新しい舞台に立つことがかなわなかったと思うと,無念だったかなと思います.1日1日.日々新たでがんばらなくっちゃ!

2014年1月13日月曜日

かんきつ類を生む島だった

今日はさぎ島という三原港から船で20分くらいのところにある島に10名で行きました。いつもお世話になっている方の親戚のおうちにみかん畑があり、そのみかんを無料でとれる…ということでうかがいました。この島は人口約800人。最盛期には3,500人くらいいたそうですので、人口は減っています。もちろん高齢化も手伝って、代々続いたみかん畑は島の特産から(言い方が悪いのですが)お荷物になりつつあるようでした。いわば取りきれなかったみかんを取りにいくというものです。特にみかん畑は急傾斜地が多く、高いところにも実がなっているので、高齢の方にはしんどい作業です。とれたものは重く運ぶのも大変。しかも、売りに出ても船で運ばねばならず、まったく収入にならないそうです。代々続いたものをやめるわけにもいかないので、こうやってとってくれる人がいれば無料で、しかも、とったものもいただける、というものです。ただ、季節の物ですから、当然、旬は少し逃しているかもしれません。しかし、その辺に出ているものよりははるかに美味しかったです。

今回は、このとれたものをジャムにしてパンの中に入れてみようかと思っています。自分達で収穫した果物でジャムを作って(加工して)パンに入れて単価を決めて販売する。こういう基本的な食品製造業の流れを、ちゃんくすを利用している方々と体験してみようと思っています。いわば教材として、今回のみかんを使わせていただきます。ジャムにするには専門家も必要です。お客さんのことを考えながら商品も考えなければなりません。地域の人の顔も見えながらの仕事です。いろんな人が「あれどうなった?」と聞いてくる中での仕事になります。

しっかりやっていこうと思います。

2014年1月12日日曜日

駅前広場で防災運動会しました

昨日1月11日は今年初めての子どもオリンピックをしました。天候は快晴。寒波がやってくる、きっと寒いぞ…と思いきや案外暖かかったです。ある程度毎月テーマを決めてやっていけないかなー?と思いながら、11月は県立広島大学の学生さんとのコラボ、今月は防災。いくつかの作業に的を絞ってやっていければいろんな人が参加するかもしれないし、継続していても何かしら楽しそうだし。
今回は、毛布と竹での担架作り、水消火器体験(ピカチュー:ピンを抜いて、構えて、チューっと出す)、防災グッズ、大声で叫ぼう(声の大きさ測定)、炊き出し、をしました。いつもの遊び道具も出して、軽トラ朝市もあって…というくらいで駅前広場はだいたい3分の2くらいが埋まります。やや広すぎるんだよなぁ、駅前広場は。

今回、障害を持った方のデイサービスの利用者の方々が来られました。駅前広場の近くに施設があって主に知的障害の方々が来られました。年齢は10代と20代くらいでしょうか。
体験だから、と他の方々と同じようにしようとしましたが、どうにも恥ずかしいのかなかなかしていただけません。担架に乗るのも怖い、大声なんて出したことない、消火器体験でも水の出る勢いが激しくて手で支えられないか怖い。炊き出しにはあまり好きな食材がはいっていない…などなど。結局あまり体験できました。

なんとかできないかなと、声をかけたり、こうやって…と試行錯誤しましたが、こちらの誘導不足もあり結局できませんでした。しかし、これくらい初めてのことを体験するのが難しいとは…と感じました。経験がなくイメージがわかないと、怖いし、どうしようもないことがよく分かりました。防災体験ですので、一度でもしておけば、実際のときに役に立つと思うのですが、それができないんだな、と強く感じました。

震災のときの記録DVDの中には、障害者の就労支援施設をテーマにして語られているものもあり、いくつかを見ました。北海道では、精神障害の方々の防災訓練にソーシャルスキルトレーニングを取り入れて行っているところもあると聞きます。

その施設なりに、その方なりに工夫しながら、本人が災害にあったときの対処方法を学ぶということもありますが、何よりも、周りの人が、この人はこういう人だから、こうやってあげたら上手くひとりで対処できるかもしれない、ということを知ろうとすることが必要だなと感じました。

大きな地震だけではなく、雨や台風で避難しなければならない、ということはどこにでも起こりうることです。ちょっとでも意識しておくことが必要です。子どもオリンピックで学びました。

次回、2月15日は、餅つきだ!

追記:ちなみに写真は「JINRIKI® QUICK(クイック)」という物。車いすを押すのではなく、引っ張ることで瓦礫の上でも行きやすくなります。めちゃ簡単に車いすを動かせます。瓦礫も作って走らせていたのに、なぜか写真忘れた…。
詳しくは:http://www.jinriki.asia/

2014年1月7日火曜日

初仕事は...

今日は、ちゃんくすとしての初仕事でした。ちゃんくすは、港町を拠点に活動をしているのですが、新しい事業をおこすべく本町でも拠点作りをしています。本年一番初めのちゃんくすとしての仕事は、その本町の作業。大工さんにお越しいただき、おうちを改築する第二歩目を踏み出しました。みんなで、おうちをつつくのって楽しいです。もちろん、ちゃんくすだけでは出来ないので、地域の方の協力あってできることです。立派なものは入りません。その時に必要なものをできるだけリサイクルで、そこにあるもので作ろうと思います。とはいえ、もちろん住めないようなものを作るわけではなく、きちんとする部分はきちんとして…ですが。

障害を持っている方の家屋改修に関わることもあったのですが、昔のおうちって本当にその人の生活スタイルが現れてきます。間取り、使っている資材、そこにある物。特に戦後直後くらいに出来た家屋はそれがもろ現れます。きっと生活はかなり苦しかっただろうし、使っている物は本当にその辺にあるものです。新聞や広告を壁紙にして、カレンダーのキレイな風景や観光地の絵手紙を飾っていたり。おかげで、数十年も経つと、家そのものが天然記念物というか、資料館みたいになります。出てくる新聞は昭和30年代から40年代。私も生まれていません。ただ、高度成長期以降の誰でも作れるようなおうち(というと大工さんに怒られそうですが)と比較すると本当にそれぞれが違い、それぞれの建物に風景があるように感じます。個性があって、個性とお付き合いするようにも感じます。

そういう時を経て構造物をいじろうとすると無理もたくさんあります。ですが、それを解決していくのも楽しかったりして。あーでもない。こーでもないといいながらの作業は本当にいいものです。多分、お金がないからこういうやり方になるんだけど、ちゃんくすっていつもこんな感じだから慣れちゃったかも。みなさんには迷惑もかけちゃうのですが。
この春にはひとつの形にしようとしています。いろんな人の手をかけて、ここからコミュニティーを作ることがひとつの目標です。

2014年1月5日日曜日

明けましておめでとうございます

あっという間の2013年が終わり、新しい一年が始まりましたね。この年末年始は長期休みでもあり比較的ゆっくりとできました。しかも暖かかった。郷里の小倉に帰っていましたが、楽に身体を動かすことができました。
ちゃんくすも、4年目が最終3ヶ月を迎えます。1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、といいますが、この3ヶ月間に大きな行事も控えています。1月は東京で作業療法の研修会で活動報告をする機会をいただいています。学会以外では初めてちゃんくすのスタッフも参加しての研修会です。わくわくします。2月はチョー忙しくて神明市、もちつき、フットボールミニミュージアム、大分県士会での基調講演。週末に多くのイベントを抱えています。活動は大変ですが、その分、みなさんが成長している姿を見ることもできてとても嬉しいです。3月には広島県の作業療法学会もあります。そして年度末を迎えます。

この年末年始に本を読みました。ちゃんくすの活動をどのような基盤で活動していくかを振り返りながら、将来を見据えようと思いました。いくつかのキーワードを考えていました。

social inclusion;ソーシャル・インクルージョンという言葉があります。日本では社会的包摂、と訳されて行政の中でも施策を考える重要なキーワードとして紹介されています(例えば、http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0012/s1208-2_16.html)。
日本では、社会的な援護を要する人、社会的排除に在る人をどのように社会に混ざり合って生きていけるようにするか、を提言し施策に反映させていくチームが内閣府に作られていたりします(内閣官房社会的包摂推進室)。障害、非正規雇用、雇用されない、などの相談をちゃんくすは受けることがありますし、そういった方々が、自分の目指す社会参加を支援する活動をしています。そういう中で、ソーシャルインクルージョンという言葉は掘り下げて捉えていこうと思っています。

この社会的包摂を調べていると、それを解決する手段として「社会的企業」というのが目に留まりました。NPO法人のすべきか、株式会社にすべきか、と考えたときに、チェンジメーカーという言葉が好きでしたし、そういう活動をすることが必要だと感じたのでNPO法人にしました。
しかし、中小企業家同友会の活動に参加してよく感じるのが、私たちの団体は営利企業なのか?ということです。中小企業からすれば、非営利企業は企業じゃないようにも捉えられます。利益を出して従業員の給与に反映したり、事業を拡大することが企業としての宿命です。じゃ、「特定非営利活動法人」はどうなのかな?と。シンガポールの方がちゃんくすに来られたときに、この辺の話をしました。シンガポールではボランタリー団体として、政府が委託費や助成金を出して社会的問題を解決しようとしています。ヨーロッパでは、どちらかというと労働組合みたいなネットワークを作って(使って)問題解決をすることが多いようです。アメリカでは、寄付や慈善団体がこういう活動をしています。NGOは世界的にも認められた団体で、行政では解決しがたい問題を解決しています。
コミュニティの形成、サービスの提供、アドボカシーを、いかに経済的にも安定した中でやっていくか。「社会的企業」という土俵で語られているので勉強していこうと思っています。

このような中心には、私は「作業ができるようになること」というのがあります。作業ができるようになることで、社会的排除の状態はなくなり、公正な社会になるのであろうと思います。作業療法の中でもカナダ、オーストラリアでは、作業的公正、作業的不公正という概念で説明しようとしている人たちがいます。

みなさんとネットワークを組み立てながら、ちゃんくすの活動の基盤と将来を見据えていこうと思います。今年もよろしくお願いします。

長文読んでいただきありがとうございます。写真は、今年から交代したペンケースです。長年使っていたので、製作者さんから、現役交代ということで頂戴しました。長年ありがとう。これからもよろしく。です。