2014年12月15日月曜日

視線を相手にあわせる

毎年ですが,寒くなり始めの12月の第一週目に障害者週間というのがあります.障害に対する理解を深めること,が大きなテーマですが,基本的には障害があろうがなかろうが,地域を構成する個人であることにおいては平等なはずです.しかし,働くこと,生活すること,余暇を過ごすことなど,多くの場面で機能的な障害を持つ方は問題を感じることがあります.そこで「障害」は生まれます.


今回の障害者週間啓発事業では,そういう障害を感じなくなるような場や機会を設けることがテーマでした.同じ場所,同じ目標に向かって共に時間を過ごすことが,何よりもこういった障害を感じなくさせることができます.

三原のお寺でアート.MAT(Mihara Arte en Tempolo)’14では,芸術という表現を地域で培っていきたい,という想いがありました.絵を描く,風景をとらえる,想いを図で表す,という表現は自由です.「やりたい」という気持ちがあれば「できる」ことが多いし,そこに機能的な障害は関係ありません.ちょっと違う視点や表現は人の感性を豊かにすると思うし,そこに人はまた違う世界観を知り,学び,深め,自分に取り込んでいくように感じます.
今回のMAT’14では,三原に在住しているクリエーターの方が監修しています.私は彼に学ぶことがとても多かったです.「芸術っちゅーもんの中には障害のあるなしは関係あらへん.」「なんやおもしろいことやっとるなー.よう観たら障害者やったらしいけどな.」.関西弁の彼が語るのは,常に同じことやるのには境目はないような表現ばかりでした.

今日行われたカープの中田廉選手とRCCアナウンサー坂上アナウンサーのイベントでは,相手との言葉のキャッチボール,というのを感じました.お客さんの語りにあわせる,相手に自分がこうしたいということを,不快に思わせずに伝える.相手が動けなければ,自分がそこに行く.「ふれあいイベント」という名のとおり,本当にステージとお客さんが一体になったような時間でした.常に相手の視線にあわせているからこそ,できることだなぁ,と感じながら舞台袖で参加していました.
また,今日のイベントでは,チケットのもぎり,案内誘導,ショップ,総合司会なども当事者の方々と一緒にしました.一緒に活動していると,両者が問題を感じたりバリアを感じることがあります.でも,それでいいのです.当たり前です.そこから何が生まれるか,がとても大切だと思います.
この2週間のイベントを企画したり,参加したりして,常に視線を相手にあわせることの大切さを学びました.

どれも,誰ひとり欠けてもできなかったイベントでした.本当にありがとうございました.