2014年1月29日水曜日

壱岐でいきいきと…

強行スケジュールでしたが長崎県は壱岐市に行きました.三原から博多まで新幹線.乗り換えさえよければなんと約1時間30分.博多駅から博多港のベイサイドプレイスまで徒歩で約30分.バスで渋滞がなければ15分くらい.ジェットフォイルという高速艇ヴィーナスに乗って70分で壱岐までたどり着きます.ですので,三原から3時間もあれば九州の島に到達します.行政区でいうと長崎県ですが,地理的に一番近い陸地は佐賀県から70キロの海上.さらに70キロいくと対馬.さらに70キロ行くと韓国の済州島になるそうです.商業圏域でいうと福岡県.言葉(方言)はばりばりの長崎でしたが.空港があって長崎県の大村にある長崎空港まで15分.意外とどこの地域からも近いです.島の人口は約2万9千人.最盛期は5万人いたそうですので例にもれず過疎化が進んでいます.

島にあるものは…というと,海に囲まれているのでもちろん漁業が1番です.捕れるのは高いものでブリらしいですが,イカやサワラもよく漁が行われています.ただ,それだけでないのが,農作物もたくさん採れます.平坦な島(最高でも200m)ということもあるのでしょう.田んぼだけでなく,野菜,果物も作っています.メロン,アスパラ,葉タバコなど,ここで有名なものもあるそうです.

牛さんもいたし,真珠の養殖など,おそらく食料などの自給自足率はめちゃ高いのではないかな?魚,貝類,野菜,果物,お肉など本当になんでもある,というのが第一印象でした.

地形も平坦で1番高い標高で200m級の山.入り組んだ湾などの風景は絶景でしたし,なんといっても海がきれい.潮が早いからなのでしょう透明度があります.

用事があって行ったのですが,ほとんど強行突撃隊でして,現地でいろんな人に話をお聞きしました.あのことは,誰に聞けばいい,このことはこの人が知っている…などいろいろ教えてもらいながら,帰りの船の時間ギリギリまで島の人とお話ができました.お会いする方の中には,偶然ですが,数年前に尾道で生活していた方もいました.

ある目的があって,人を辿っていくとそこに新しい出会いがある.そこからひろがる世界はたった一日なのに夢のような現実じゃないような時間.こういうのはデジタルではできないよなー.

こういう瞬間があって,またいつもの時間が輝くんだな.ただ…やはり一日じゃ物足りないなぁ.


2014年1月21日火曜日

神明市のチャレンジ

ちゃんくすを立ち上げたのが2月26日.三原の2月といえば神明市.今年もちゃんくすは東町町内会さんのご協力を得て販売ブースを設けます.場所は毎年一緒の場所.ここで出店させていただいて3回目になります.3年前から始めた「だるまパン」.今年はこのブログにも書きましたさぎ島のかんきつ類を使ってのジャム作りをしています.みかん,はっさく,夏みかん,レモンなどで味を確かめています.

それから,今年も「神明市手ぬぐい」を作っています.今年は三色三種類を作っています.製作も,今年はいろんなところと連携しながら,障害者就労支援施設で作ってもらっています.すべて手作りでして,ひとつひとつ消しゴムハンコスタンプを押しています.

ぜひみなさん.三原にお越し下さい.2月7日~9日.今年は東町だけでなく,三原駅の中の駅中店もオープンする予定です.少しでもちゃんくすの活動を見てもらえるようにがんばります.ぜひとも三原にお越し下さい!

2014年1月19日日曜日

障害福祉に関わる作業療法士の意見交換会参加

この週末はちゃんくすをお休みして,スタッフ3名で東京まで研修に行ってきました.作業療法士協会の意見交換会でして,就労支援施設や相談支援事業所など,福祉の領域で働いている作業療法士7名が発表をしました.私もそのひとつに加えていただき,発表もしました.

一番感じたのは,地域の中で福祉分野に携わる方々の多くが,地域には障害があるも,ないも関係ない,ということです.障害者に対するサービスを提供しているのですが,施設で働いていてもとにかく外部との接触の多い仕事をしています.商品の受注,発送先,協力者,ボランティアなどを通じて街と出会い,地域の住民と一緒に「作業」をしているといました.障害者も,地域の中の資源として,できないことも多いけど,できること(可能性)を見つけてそれを伸ばし,社会参加のチャレンジをしていました.社会人として,みんなが対等というか,そんな感じです.

この感覚は,障害者雇用を促進している社長さんや従業員の方と話したときにも感じた感覚です.ひとりの戦力としてお付き合いをしていますし,お互いを尊重し合える関係になっているようです.

作業療法士はそれを演出するプロデューサーみたいです.地域のリーダーになり,できないことよりもできるところに着目する.地域の役割を作り出し,相互作用しあいながら活動していました.結局はまちづくりに近づいたかなと思います.

制度にも多くの課題があって,解決が期待されるもの,作業療法士として関わっていかなくちゃいけない視点とその制度上の保障を獲得していく,という議論もあり,多くの宿題ももらった気がしました.

私たちの活動も,このような広い視点を持ちながら活動しなくちゃです.一泊二日の研修.学びもですが,笑いも絶えない会になりました.またいつかこのメンバーでどこかでお会いできたらいいな.

写真はちょっと時間があったので歌舞伎座へ.中村勘三郎はこの新しい舞台に立つことがかなわなかったと思うと,無念だったかなと思います.1日1日.日々新たでがんばらなくっちゃ!

2014年1月13日月曜日

かんきつ類を生む島だった

今日はさぎ島という三原港から船で20分くらいのところにある島に10名で行きました。いつもお世話になっている方の親戚のおうちにみかん畑があり、そのみかんを無料でとれる…ということでうかがいました。この島は人口約800人。最盛期には3,500人くらいいたそうですので、人口は減っています。もちろん高齢化も手伝って、代々続いたみかん畑は島の特産から(言い方が悪いのですが)お荷物になりつつあるようでした。いわば取りきれなかったみかんを取りにいくというものです。特にみかん畑は急傾斜地が多く、高いところにも実がなっているので、高齢の方にはしんどい作業です。とれたものは重く運ぶのも大変。しかも、売りに出ても船で運ばねばならず、まったく収入にならないそうです。代々続いたものをやめるわけにもいかないので、こうやってとってくれる人がいれば無料で、しかも、とったものもいただける、というものです。ただ、季節の物ですから、当然、旬は少し逃しているかもしれません。しかし、その辺に出ているものよりははるかに美味しかったです。

今回は、このとれたものをジャムにしてパンの中に入れてみようかと思っています。自分達で収穫した果物でジャムを作って(加工して)パンに入れて単価を決めて販売する。こういう基本的な食品製造業の流れを、ちゃんくすを利用している方々と体験してみようと思っています。いわば教材として、今回のみかんを使わせていただきます。ジャムにするには専門家も必要です。お客さんのことを考えながら商品も考えなければなりません。地域の人の顔も見えながらの仕事です。いろんな人が「あれどうなった?」と聞いてくる中での仕事になります。

しっかりやっていこうと思います。

2014年1月12日日曜日

駅前広場で防災運動会しました

昨日1月11日は今年初めての子どもオリンピックをしました。天候は快晴。寒波がやってくる、きっと寒いぞ…と思いきや案外暖かかったです。ある程度毎月テーマを決めてやっていけないかなー?と思いながら、11月は県立広島大学の学生さんとのコラボ、今月は防災。いくつかの作業に的を絞ってやっていければいろんな人が参加するかもしれないし、継続していても何かしら楽しそうだし。
今回は、毛布と竹での担架作り、水消火器体験(ピカチュー:ピンを抜いて、構えて、チューっと出す)、防災グッズ、大声で叫ぼう(声の大きさ測定)、炊き出し、をしました。いつもの遊び道具も出して、軽トラ朝市もあって…というくらいで駅前広場はだいたい3分の2くらいが埋まります。やや広すぎるんだよなぁ、駅前広場は。

今回、障害を持った方のデイサービスの利用者の方々が来られました。駅前広場の近くに施設があって主に知的障害の方々が来られました。年齢は10代と20代くらいでしょうか。
体験だから、と他の方々と同じようにしようとしましたが、どうにも恥ずかしいのかなかなかしていただけません。担架に乗るのも怖い、大声なんて出したことない、消火器体験でも水の出る勢いが激しくて手で支えられないか怖い。炊き出しにはあまり好きな食材がはいっていない…などなど。結局あまり体験できました。

なんとかできないかなと、声をかけたり、こうやって…と試行錯誤しましたが、こちらの誘導不足もあり結局できませんでした。しかし、これくらい初めてのことを体験するのが難しいとは…と感じました。経験がなくイメージがわかないと、怖いし、どうしようもないことがよく分かりました。防災体験ですので、一度でもしておけば、実際のときに役に立つと思うのですが、それができないんだな、と強く感じました。

震災のときの記録DVDの中には、障害者の就労支援施設をテーマにして語られているものもあり、いくつかを見ました。北海道では、精神障害の方々の防災訓練にソーシャルスキルトレーニングを取り入れて行っているところもあると聞きます。

その施設なりに、その方なりに工夫しながら、本人が災害にあったときの対処方法を学ぶということもありますが、何よりも、周りの人が、この人はこういう人だから、こうやってあげたら上手くひとりで対処できるかもしれない、ということを知ろうとすることが必要だなと感じました。

大きな地震だけではなく、雨や台風で避難しなければならない、ということはどこにでも起こりうることです。ちょっとでも意識しておくことが必要です。子どもオリンピックで学びました。

次回、2月15日は、餅つきだ!

追記:ちなみに写真は「JINRIKI® QUICK(クイック)」という物。車いすを押すのではなく、引っ張ることで瓦礫の上でも行きやすくなります。めちゃ簡単に車いすを動かせます。瓦礫も作って走らせていたのに、なぜか写真忘れた…。
詳しくは:http://www.jinriki.asia/

2014年1月7日火曜日

初仕事は...

今日は、ちゃんくすとしての初仕事でした。ちゃんくすは、港町を拠点に活動をしているのですが、新しい事業をおこすべく本町でも拠点作りをしています。本年一番初めのちゃんくすとしての仕事は、その本町の作業。大工さんにお越しいただき、おうちを改築する第二歩目を踏み出しました。みんなで、おうちをつつくのって楽しいです。もちろん、ちゃんくすだけでは出来ないので、地域の方の協力あってできることです。立派なものは入りません。その時に必要なものをできるだけリサイクルで、そこにあるもので作ろうと思います。とはいえ、もちろん住めないようなものを作るわけではなく、きちんとする部分はきちんとして…ですが。

障害を持っている方の家屋改修に関わることもあったのですが、昔のおうちって本当にその人の生活スタイルが現れてきます。間取り、使っている資材、そこにある物。特に戦後直後くらいに出来た家屋はそれがもろ現れます。きっと生活はかなり苦しかっただろうし、使っている物は本当にその辺にあるものです。新聞や広告を壁紙にして、カレンダーのキレイな風景や観光地の絵手紙を飾っていたり。おかげで、数十年も経つと、家そのものが天然記念物というか、資料館みたいになります。出てくる新聞は昭和30年代から40年代。私も生まれていません。ただ、高度成長期以降の誰でも作れるようなおうち(というと大工さんに怒られそうですが)と比較すると本当にそれぞれが違い、それぞれの建物に風景があるように感じます。個性があって、個性とお付き合いするようにも感じます。

そういう時を経て構造物をいじろうとすると無理もたくさんあります。ですが、それを解決していくのも楽しかったりして。あーでもない。こーでもないといいながらの作業は本当にいいものです。多分、お金がないからこういうやり方になるんだけど、ちゃんくすっていつもこんな感じだから慣れちゃったかも。みなさんには迷惑もかけちゃうのですが。
この春にはひとつの形にしようとしています。いろんな人の手をかけて、ここからコミュニティーを作ることがひとつの目標です。

2014年1月5日日曜日

明けましておめでとうございます

あっという間の2013年が終わり、新しい一年が始まりましたね。この年末年始は長期休みでもあり比較的ゆっくりとできました。しかも暖かかった。郷里の小倉に帰っていましたが、楽に身体を動かすことができました。
ちゃんくすも、4年目が最終3ヶ月を迎えます。1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、といいますが、この3ヶ月間に大きな行事も控えています。1月は東京で作業療法の研修会で活動報告をする機会をいただいています。学会以外では初めてちゃんくすのスタッフも参加しての研修会です。わくわくします。2月はチョー忙しくて神明市、もちつき、フットボールミニミュージアム、大分県士会での基調講演。週末に多くのイベントを抱えています。活動は大変ですが、その分、みなさんが成長している姿を見ることもできてとても嬉しいです。3月には広島県の作業療法学会もあります。そして年度末を迎えます。

この年末年始に本を読みました。ちゃんくすの活動をどのような基盤で活動していくかを振り返りながら、将来を見据えようと思いました。いくつかのキーワードを考えていました。

social inclusion;ソーシャル・インクルージョンという言葉があります。日本では社会的包摂、と訳されて行政の中でも施策を考える重要なキーワードとして紹介されています(例えば、http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0012/s1208-2_16.html)。
日本では、社会的な援護を要する人、社会的排除に在る人をどのように社会に混ざり合って生きていけるようにするか、を提言し施策に反映させていくチームが内閣府に作られていたりします(内閣官房社会的包摂推進室)。障害、非正規雇用、雇用されない、などの相談をちゃんくすは受けることがありますし、そういった方々が、自分の目指す社会参加を支援する活動をしています。そういう中で、ソーシャルインクルージョンという言葉は掘り下げて捉えていこうと思っています。

この社会的包摂を調べていると、それを解決する手段として「社会的企業」というのが目に留まりました。NPO法人のすべきか、株式会社にすべきか、と考えたときに、チェンジメーカーという言葉が好きでしたし、そういう活動をすることが必要だと感じたのでNPO法人にしました。
しかし、中小企業家同友会の活動に参加してよく感じるのが、私たちの団体は営利企業なのか?ということです。中小企業からすれば、非営利企業は企業じゃないようにも捉えられます。利益を出して従業員の給与に反映したり、事業を拡大することが企業としての宿命です。じゃ、「特定非営利活動法人」はどうなのかな?と。シンガポールの方がちゃんくすに来られたときに、この辺の話をしました。シンガポールではボランタリー団体として、政府が委託費や助成金を出して社会的問題を解決しようとしています。ヨーロッパでは、どちらかというと労働組合みたいなネットワークを作って(使って)問題解決をすることが多いようです。アメリカでは、寄付や慈善団体がこういう活動をしています。NGOは世界的にも認められた団体で、行政では解決しがたい問題を解決しています。
コミュニティの形成、サービスの提供、アドボカシーを、いかに経済的にも安定した中でやっていくか。「社会的企業」という土俵で語られているので勉強していこうと思っています。

このような中心には、私は「作業ができるようになること」というのがあります。作業ができるようになることで、社会的排除の状態はなくなり、公正な社会になるのであろうと思います。作業療法の中でもカナダ、オーストラリアでは、作業的公正、作業的不公正という概念で説明しようとしている人たちがいます。

みなさんとネットワークを組み立てながら、ちゃんくすの活動の基盤と将来を見据えていこうと思います。今年もよろしくお願いします。

長文読んでいただきありがとうございます。写真は、今年から交代したペンケースです。長年使っていたので、製作者さんから、現役交代ということで頂戴しました。長年ありがとう。これからもよろしく。です。