2016年12月9日金曜日

教育機会確保法が可決されました。

教育機会確保法が可決された。議員立法であるこの法案は、期待が大きく義務教育が学校以外の場所で行われることを認めるような法になりそうだった。個別支援計画を親が作成し、公的に認められればそれでフリースクールなどで学ぶ機会を認められる…などもあった。しかし、その大部分はなくなってしまい、どちらかというと連携や支援の在り方が文章化されたような形になった。期待が大きかったぶん、残念なところも多いが、これはこれで一歩前進だろうと思う。
しかし、私がとってもとっても気になるのは、不登校の定義だ。不登校がどうもその子どもの心理的身体的な要因で生じているような書き方で、まるで学校という環境には言及していない。人は環境の生き物であり、環境や作業の不調和が生じて人の健康の状態も変調をきたす。ICFになったのもそういう考え方だ(よね?)。実は、時代が変わっても、子どもの数が減っても、学校の数が変わっても、不登校の割合はそんなに変わらず高止まりしている感はある。そういう人たちが「不登校」という名称でくくられて、またある集団に押し込められて、そこに支援だなんだとお金をかけるだけの制度になりかねないようにも感じる。結局はマイノリティーに対して数の理論で集団を形成してしまい、人員配置と予算配分という行政的に「やってます」という制度になりゃしないか。
不登校対策法じゃないか!反対だ!という人たちもいる。しかし、法律としてなんらかの形で成立しないと、何も始まらないのも確かで、ある程度の評価はされる。
障害児だから特別支援学校(学級)に行って下さい。不登校になったから、みんなと違う所で過ごして下さい。それを認めてあげてるでしょう。そうではなく、多様な学び方、多様な理解の仕方を認め合いながら、共に学びながら社会を形成していく機会を作っていかなければならない。変わるべきはいったい誰なんだろうか?

2016年11月30日水曜日

忙しいと忘れる。

今日もてんこ盛りの一日でした。最近ちょっと後手後手に回っているので、できるだけ準備をして臨みたいけど集中力の欠如か、時間がかかる。

そんな中、とある閉園した保育所に仕事で行った。たくさんの三原で育ったお子さんが幼児期を過ごした場も主人公がいなければ寂しそうだった。現役を引退していて、いつか崩されるのを待つ姿が痛々しい。先日のうまいもの市で利用された三原幼稚園は新しい機会を作り出す場に生まれ変わろうとしている。やはり場はそこで人が何かをしないと(人が作業をしないと)機会は生まれない。当たり前のことを感じたけど、いつもその重要さを忘れてしまう。

大事なのは、人が何かをしようとすること。自分は何をしようとしていたっけ?ときどき立ち止まって振り返る時間も大切かも。

ちなみに…
「したごころ」は心の上に何かを乗せる。「忘」は自分で自分の心をなくしたので「わすれる」。

「忙」は他のものに心を奪われるので「わすれさせられる→それほどいそがしい」。「へん」としてのこころ(りっしんべん)は「心に何かが寄り添う」→「心が外的なものでどうかした」から「いそがしい状態を表す」そうです。

どちらにしてもあまりいい状態ではないので、ちょっとちょっと休みながらいこうかなと。

2016年11月20日日曜日

三原幼稚園はすごかった


以前からことあるたびに、この場所は三原の財産だ。と言い続けてきた私立三原幼稚園。閉園こそしていないけど園児も先生もおらず、実質機能していない場所です。高度成長期にある三原のベッドタウン「本町」の真ん中に位置し、その世代の園児は憧れの場所だったらしいし、卒園児も多いです。そんな場所に今日初めて堂々と入ることができました。
こじんまりとした園庭。土地の段差を利用した建てられた建物。高さがある分だけいろんなことが見渡せるポイントがいくつもあって、きっと小さいお子さんにはそれだけで気持ちよかったに違いないと。子ども歩幅に合わせた階段(大人はよく引っかかっていました)。お寺の幼稚園らしくお墓と同居したスペースに、遊び場。本当にいい場所でした。


そんなところに、テントやら園舎の中でワークショップや地域の物産。人と人が混ざり合うことで場が作られる時間に参加できてよかったなと思いました。

住宅街の中に幼少期のお子さん。今の時代は、子どもの声が騒がしい。送迎の車で事故が起こるのではないか。などなど保育所や幼稚園を取り巻く環境は厳しいです。が、この幼稚園は地域に愛された場所なんだなと思いました。

子どもが遊ぶ場にお墓があり、人の死を感じることもできる。きっと縦軸にも横軸にも地域とつながっていたんだろうなぁと。

また、どこかで触れ合えればいいなと思いました。ありがとうございました。

2016年11月10日木曜日

スーパーチューズデー

アメリカの次期大統領が決まった。予想や大手メディアの調査でこれまでも接戦が伝えられていたが、最後にはヒラリー・クリントンさんが大統領の座を射止めるだろうと言われていたが、反してドナルド・トランプさんになった。本当に一晩で結果が変わっていて驚いた。
アメリカ合衆国は移民の国だ。最初に世界史に登場した時は「インドに着いた!」と勘違いしていまだに原住民は「インディアン」と呼ばれ「西インド諸島」なんていう地名まで残っちゃっている。
その後、主にヨーロッパから移民が後を絶たず、現在の合衆国が生まれている。ですので、いろんな文化が混ざり合って集団ができている。
また、地理上も海に囲まれた地域である。カナダはフランスからの移民が多く、いまだに英語とフランス語で表記されている。
ここでいう、文化とはそれぞれの地域や民族の風習になることをさすが、別に日本だっていろんな文化がある。いや、世界中で個人にはいろんな文化を持っている。今週の火曜日はそれを感じた一日でした。

まずは、斎藤工房さん(写真)。今年も県立広島大学の学園祭で視聴室を設けさせていただきます。今回も「こだわりの音」もですが、看板が違います。なんだかかわいいし、みんなにどのように見られたいかを意識した看板になりました。これまでは、どちらかというと自分のやりたいことを看板にしているような印象でした。が、他の人に見てもらいたい。そのためにはどういう見られ方が必要か?と考えた挙句のデザインになっています。

今回は画像には出しませんが、もうおひとりは絵画。好きな絵を描き、自分の時間を作っています。だいたい月に1本製作していて、途中で終わってしまうものもたくさんあるのですが、今回は真っ白なキャンバスに規則性のある線画。右肩上がりの感じの並び。今までの彼の作風の延長線上なんだけど成長を感じる1枚になっています。

そしてもうひとつは文学作品の短編小説。これにはまいりました。彼はどちらかというと物静かな方ですが、こんな体験をして、それを自分が生まれ変われるような可能性としてとらえられていることがすごかった。集中力もすごくて、誰の声も入らずひたすら書いて約2時間で仕上げてきました。私が読んだ後に感想を…と言われたので「あとがき」を書いて欲しい。というと、このあとがきがすっごくよかった。

大統領の選挙が行われるのが火曜日。スーパーチューズデーは予備選挙の呼称。ちゃんくすのスーパーチューズデーは個人の作業の表現が一気に咲いてきた一日でした。

2016年11月7日月曜日

ラスクを作る



私が関与している団体の一つにスワンベーカリー三原店があります。どんな仕事だって大変なのですがパン屋さんというのは、こだわればこだわるほど深みにはまりそうな仕事です。
基本的には小麦粉を水と塩で混ぜて温めたり焼いたりしてできあがる食べ物です。小麦粉というのは本当に不思議な作物でして、いろんなものになります。酵母と一緒になれば膨らんでいくし、味は変わるし、焼くとこれまたにおいも良いし、味もひときわ変わっていくし、見た目にも変化していきます。こんなに五感を刺激される作物はないと思います。

それはさておき、スワンベーカリーのパンは基本的には冷凍パンでして、生地は第一次発酵の手前までは出来上がって物流のおかげで届きます。パンとして一度は焼いて店頭に出したけど売れなかった分を二度焼きしてラスクにしています(もともとラスクはそういう食べ物です)。
いわば、食材がもったいないから食べられてきた経緯もあり、水分もなく手軽に食べられることで有名です。スワンベーカリーでもよく売れていて主力商品のひとつです。

一度はパンとして世の中で生まれたけど、消費者と出会えずもう一度再起を誓って余分なものをそぎ落として生まれ変わったラスク。そういえば、プロ野球もトライアウトがありますが、そんなラスクを是非とも食べてみてください。最近では、スワンベーカリー三原店以外でも、サンシープラザ1階の浮城茶屋のところや本町ごはんはらのすけなどでも販売されています。

作る工程でも同じことをひたすらやっていく…という意味では同じような工程でできる作業です。ぜひとも皆さんのお口に入りますように…。

2016年11月6日日曜日

浮城茶屋の意味~その1~

今年の浮城祭りから来年の浮城祭りまでの1年間の契約ではありますが、みはら歴史館の前でオープンカフェをする機会を得ました。小早川隆景が築城した三原城は海から見ると浮いて見えることから「浮城」の異名を持ち、その築城450年を記念して作られた歴史館。並べられた資料は三原という地域を知るきっかけになり、今を生きる自分の過去や将来をとらえるきっかけになるんじゃないかなと思っています。

「浮城茶屋」はそんな場所に来られる方々の「おもてなし」の意味も込めて作られましたが、大筋は「市民が活躍する場」「雇用が少ない駅前や障害などで働きづらい方々の雇用を生み出す場」という意味もあります。私なりに考えてこの場を作ってきたので忘れないうちに書いておきます。

コーヒーがサーバーで注がれて1杯100円。安価にして大丈夫?

この場所はできるだけお客さんにお越しいただく必要があります。安い、うまい。が売りではありません。仕事ができる喜びを、働く人も消費者も、いろんな人に感じてもらう必要があるなと思っています。働く原動力はもちろん給与もありますが、やはり「意欲」です。そのためには、広く浅く多くのお客さんに来ていただく必要があります。
この近くで毎日仕事をしている人。三原駅周辺で暮らしていて散歩や用事があって徒歩の人。遠くから三原に来た人。JRやバスを待つ人。通勤通学をしている人。お友達とかとちょっとお話をしたい人。このサンシープラザを利用している人。いろんな人がいますが、その人たちがまんべんなく来ていただかなくてはいけません。しかし、通勤通学の方(15歳くらいから60歳代くらいの方々)は朝早くか夕方遅くに提供しなければならないので、ターゲットにはなりません。近くで働いている人やサンシープラザを利用する人たちはお弁当販売をしていて、お付き合いも広がっていました。しかし、まだ開拓していないのは遠くからくる方と散歩している人やちょっとお友達と歩いている人たちです。遠くからくる方は三原は案外多いです。新幹線の停車駅ということで企業の方が多いと思います(観光客は尾道か竹原に行っちゃいます:涙)。

参考になったのは、週に3日間している屋外での野菜などの販売です。月曜日と木曜日と金曜日は屋台形式で世羅からの新鮮な野菜や果物が近くで販売されています。
「定期的にこの時間に来れば何かがある」ことで人が良く集まっています(残念ながらどちらも三原の企業ではないのですが…)。
そして、ここに来れば平均的な何かがある、という感覚があります。非日常ではなく日常にあることが大切だなと。あまり突飛なものでなくてもいいかなと。

それともう一つは、福山にある(株)ワンライトの高橋社長の一言でした。障害を持った方には繰り返しの作業を多くする方がええんじゃろ。ミンチカツを揚げるとか単純な作業の繰り返しでお客さんとコミュニケーションできた方がいいじゃん。」いやー作業療法士なので、こういうことは当たり前に分かっている(はず)なのですが、この視点に敬服しました。

コーヒーを入れること。それも美味しいコーヒーを入れることは私たちにはなかなかできません。やはり人の手で入れたコーヒーには味も違えば、なんだか「煎れてもらった」という付加価値も付いてやはりおいしいです。こだわりの味はそのお店で。「浮城茶屋」では繰り返し作業ができて、少しの間落ち着けるような時間をサンシープラザを仕事や健康教室などに来ている人たちや遠くからくる人に提供しよう。ということに考えました。

できるだけ日常になること。これがとても大切だなとと思い、今回の主力商品はコーヒー1杯100円にしました。できるだけ、数多くの方に来ていただくため、テイクアウトが生命線かなと。しかし、最近のコーヒーマシンは侮れず、美味しいコーヒーもでるので、店内で飲む方はカップも準備することにしました。

…とここまでの考えの基本は私の中にありましたが、ここでおひとり強力な助っ人が現れました。以前からお付き合いさせていただいていた道の駅の駅長さんです。マーケティングの考え方、人にウケる仕かけつくり、製造する人と消費者の両方を知っていて、しかもご自身の経験や考え方を惜しげもなく披露していただき、フットワークもとても軽いです。この駅長さんの知恵もお借りして、商品を決めていきました。

作業療法士の仕事は、地域の中で個人や集団に対して、その方のやってみたい、やらなくちゃいけないこと(作業)を中心に関わりながら生活しやすくする仕事です。今回の場合は、障害を持つ方や働きづらい方々の雇用を生み出すために、繰り返しの作業が含まれる仕事を提供すること。そのために三原を知る機会となる歴史館の前で、近隣で仕事やお友達との交流をする方々の日常になるような場を提供する。ことです。その接点に「コーヒー100円」があります。

長くなったので、第一巻はここで終わりです。他にもまだまだ浮城茶屋物語はあるのでいつか忘れないうちに書きます。
長文をお読みいただいた方ありがとうございます。

2016年10月25日火曜日

パン屋さんにて

今日は一日パン屋さんスワンベーカリーで働いていました。パンができるのってとても不思議。スワンベーカリーは冷凍された生地を解凍していきながら発酵成形をするのですが、最初は粉だったのか…と思うと成長していく過程を全部見られるんだなーと。白い粉が(あ。あまりいい表現じゃないか)、どんどん固まって膨らんで伸ばされたりして焼くと美味しく食べられるなんて。

それにパンはお客さんにとっては選ぶこともできる。自分の気分や好みなど手軽に買うことができて、比較的自由な時間で食べられる。それもできたばっかりの焼きたてパンの味は格別でして、本当においしい。

それを作れるようになるまでにはいくつかの試練もある。ずっと立ち仕事、力を加える部分、時間を見計らう技術、なによりもパン作りが好きな方でないとできない作業だろう。

最近はお客さんも双方向通信になってきて、アレルギーのない食材を使ったパンはないか、あのパンはもう販売していないのか?などお聞きすることもあります。

そして、なんといっても、ここには障害者の方のこだわりもずいぶんあるということ。それだからこそきれいに焼きあがるんだと実感しています。

パン屋さんというと、女の子のなりたい仕事には上位に入ってくるような職業。そんな仕事に誇りを持てた一日でした。

2016年10月16日日曜日

職場実習終了

道の駅みはら神明の里で、ちゃんくすで新しく働き始める方の職場実習をさせていただきました。ちょっと無茶をして、6日間連続で一日5時間勤務。
接客業、レジ打ち、袋詰め、商品補充、POP作り…とにかくこれから始まる彼女の仕事にあわせて様々なことを経験させていただきました。彼女は特定なことがちょっと苦手です。そのことで学業にはついていけなかったり、コミュニケーションで時々難しくなることがあったようです。そのことで自信もなくしていました。
しかし、今回の実習では、環境が良かったのでしょう。イキイキと仕事をしていました。周りの期待、職場での役割なども理解して行っていました。また、彼女には得意なこともあって、それがちゃんくすの仕事にも役立てそうなこともわかりました。

この道の駅は素敵な所です。道の駅というと地域の物産の販売的な要素が強いのですが、神明の里は、物だけでなくアイデアや想いやコミュニケーションも集まってきます。ここ最近、よく神明の里の駅長さんに相談をしているのですが、訪問した時によく見かける対面販売をしている男性がいます。この方は、以前少し仕事を一緒にしたことがあって、神明の里でも会釈する程度でした。
今日、先方の方からお声掛けいただきました。いつもいますよね?という話をしたら、空いた時間1時間でも自社の商品を見たり、他者の商品を見たり、お客さまと触れ合ったりしている、といわれました。なぜ?とお聞きすると、自社の製品の看板商品がとにかく売れるため。そして、一緒に仕事をしている方と、日本で一番おいしい「タコ飯」を作るための資金作りをしていると。
この言葉にガーンと来ました。自分がやりたいことを誰かと一緒にやっていて、その共通の夢のために一時間でも時間を作って(みつけて)足を運んで、お客さまに頭を下げながら一つでも多く販売しているんだ。その当たり前すぎて、謙虚な姿勢と継続性は、私には非常に欠けています。

どちらかというと、思いつきで継続性がなく、周りと一緒にやっていそうで実は打ち解けてやっていないように感じています。

今回の道の駅の実習は彼女だけでなく、私もとっても勉強になりました。といってもこれで終わりではなく。これから始める物語のスタートです。これからもずっと勉強させてもらう場になると思います。

2016年10月15日土曜日

リージョンプラザ感謝祭に参加しました

もう気づけば10月も半ば。1か月半もの間ブログを更新しておりませんでした。残暑の長い夏も終わり、朝晩はずいぶん涼しくなりました。

昨日10月14日(金)はリージョンプラザ感謝祭に参加してきました。これまでいろんな形で参加してきましたが、今回は新しいメンバーで準備と運営行いました。出来る限りメンバーでやってみようと思い、私もほとんど手出しをせず見ておりました。教えたのも、年齢こそ下ですが、メンバー同士で習っての本番でした。このイベントは家族連れがとても多く、しかもお客さんとの距離がなんとなく近くていつも楽しく参加させてもらっています。

そんなアットホームな感じでの中で、緊張もしながら参加できるのがとてもよかったです。買っていただいたみなさんありがとうございました。
そうそう、ネタは相変わらずの福山にある池口精肉店さんのミンチカツ。スワンベーカリーのパンにはさんでおいしかったです。

2016年8月30日火曜日

沖縄×三原交流フェスタ参加

この週末は三原駅前市民広場で行われた交流フェスタに参加した。これは、ちゃんくすの近くにある居酒屋「島んちゅ」の人たちが実行委員会を作って行うもの。昨年に引き続き第2回目。沖縄の物産や文化(エイサーや三線)を紹介するもので、本当に沖縄っぽい。

ちゃんくすは、それにあわせてスワンベーカリーの「紫いもボール」を販売した。紫いもがあんこになっていて、パン生地で包んでいる。1個ではもの足らず、2つくらいで小腹を満たすもの。3つ買えば、本人だけでなくお友達にも食べられて、きっとそのお友達も3つ買っちゃう。そのさらにお友達が…なんていいんですが、とにかくちょっと口にするにはいい食べ物でした。

沖縄は私は行ったことがある。しかし、私の知っている沖縄は「沖縄」ではなく「琉球」だった。日本とは違う生活スタイル、言葉、風習などなど、とにかくいろんなことに驚いた。お墓も古墳みたいに大きいし、みんな共通の楽器(三線)に踊り(カチャーシーやエイサー)がある。飲み会の集合も独特だし、なによりも強いお酒の泡盛。

独特ではあるけど、日本国としてみると沖縄には不公正な現実が多い。米軍のキャンプは東アジアの中でも最大級。配備されている装備も機動性抜群の兵器が多い。

海兵隊の隊員による事件は後を絶たず、被害者としての沖縄の側面が強い。地位協定の話が持ち上がるが、私としては被害にあうのはいつも弱い者。社会制度とかの報道よりも被害にあった方の気持ちに寄り添ってほしい。

沖縄から外れるが、某俳優が強姦罪で捕まった。その後に母親がテレビの生中継で謝ったもので、そちらの方が報道されている。母親が出るべきかどうか、とか加害者なのにいつの間にか被害者になっている。確かに母親にも被害はあるが、本来の被害者ではない。

問題の本質を誤ってはいけない。今回の沖縄交流フェスタはなぜかそんなことを思い起こしてしまった。

2016年8月23日火曜日

また久しぶりになっちゃった

残暑も続く毎日。本当に暑いですね。またまた久しぶりの更新になりました。この夏は半ドン夜市はついに雨による中止もなく、すべての日程を行い、やっさ祭りなどちょっとばて気味でした。

先週末は福山市で開催されたトータルライフサポートふくやまさん(TSLF)主催の彩フェスタに参加してきました。三原市内ではこのような買いに参加していましたが、他の市町のものに参加するのは初めてでした。どんな店舗を構えているのかわくわく感と、自分たちの活動がどれくらい評価されるかちょっと不安でもありました。アウェイ感を感じながらの参加でしたが、それも杞憂に終わりました。

それぞれの就労支援施設がそれぞれ工夫を凝らしてワークショップや雑貨、実演販売などを行っていました。中でも、とてもよかったのが当事者の方の実演販売です。ただ、作って販売するのではなく、自分たちの活動の姿、事業所での姿がそのまま出張してきたような感じでした。

私は自分自身に。主人公がだれかという命題に答えを出せていない。と感じました。三原市内の就労支援施設の製品を販売することはいいことだと思いますが、そこに当事者がいませんでした。いわば主人公のいないドラマのようで、なんだか炭酸の抜けた飲み物のような気がしました。

いろんな出会いだけでなく自身の活動をも振り返ることのできた2日間でした。

2016年7月24日日曜日

山脇邸と作業療法

山脇邸という昭和元年に建てられた古民家が生まれ変わろうとしています。昨日は、改装前の最後のイベントでした。一昨年度から半ドン夜市の時にあわせて音楽ライブをしていました。一昨年は1回だけ。昨年は毎回。今年は2回ほど実施しました。昨年に比べたらできませんでしたが、今の自分にはあっている内容でした。

古民家を再生するのは作業療法に似ています。家として失った機能を地域の資源で再び取り戻し、音楽やイベントを通じて人と人が出会うことで新しい機能を持つことができる。
必要な時は専門家の知恵や技術を借りて、想いだけで動いている人たちが集まって必要なことをする。

いろんなことをする中で、本当に想いのある人も発掘してきて、そこで新しい出会いや新しいアイデアが形になることもありました。

山脇邸そんな人たちの想いが集まって社会の中で次のステージに進みます。
そんな最後の日が昨日でした。さみしい気持ちもあるのですが卒業式みたいな感じです。

社会復帰という言葉があります。家としての機能ではなく、何かができるようになるために生き物が進化してきたように、山脇邸は地域の資源として何らかの役割がとれるようになるため進化(改装)していきます。

そんな最後の活動でした。…といってもまだまだ続くのでしょうがね。

2016年7月20日水曜日

あかりプロジェクトin summer



7月18日(月)は海の日でした。ちょうど梅雨もあけてしまい、ついに暑い暑い夏が始まりました。そんな中、キャンドルのあかりを港で灯すイベントを行いました。いつもはキャンドルだけでなく、いろんな方々が描いた灯ろうの中にキャンドルを入れて飾るのですが、今回はキャンドルだけでやってみました。天気は快晴。梅雨もあけてカンカンの日差しの下での準備はけっこう身体にはつらかったようです。しかし、いつもは灯ろうの中にキャンドルなので、今回はあっという間に1時間くらいで完成しました。なんだ。けっこう楽じゃん。と思いきや、そこからが大変でした。

チャッカマンで火をつけるのですが、いつもは灯ろうに守られているため風があっても少々では消えないのですが、今回は風が吹くと消えちゃうじゃないんですか!つけてもつけても消えていくのでやる気もなくなりそうでしたが、ここはみなさんの手をお借りして、根気強くつけていきました。

日も陰ってくるとだんだんと風も弱まり、火がキレイに並びました。火というのは、つけたら管理しなければならず、火によって物の性質は変わり新しいものを生み出すエネルギーになる。だから火の管理は子育てに近い。陶芸の釜をされている方が言っていたのを思い出しました。放っておくと消えちゃうので、消えてはつけないといけない。ついたままではいけないので、最後は消してしまう。その間光を放つのが彼ら(火の)生き様だなとも思いながら、チャッカマンをカチカチしていました。そうやってついた光の波。海の日はとっても暑くてあたたかい気持ちにもなりました。

2016年7月17日日曜日

昔やっていた作業が復活する時

「本町ごはん はらのすけ」という就労移行支援事業所の運営をしています。お弁当とかお惣菜とか食を通じて地域を作っていきたい。という思いがあります。

美味しいものを作るとか、売れるものを作るとか、それはどちらかというと優先順位は低いかもしれません。かといってまずい物を作るわけでもありませんが。食は今や瀕死の状況です。コンビニやお弁当が美味しくなってたり、調理をする時間がなく販売されているものを食べる習慣がついてきているからです。高度成長期以降は核家族化でもあり、食の伝統や文化はなくなりつつあります。地域から食を作る畑や田んぼも減ってきたのも理由です。大量生産大量消費で外部から入ってくる食材しか流通しなくなりました。近くの田んぼや畑でできた物が大都市圏に流れて、地方の農家は契約農家さんになり、地域内の流通は本当にできなくなりつつあります。

食事は作る方も、食材の方も地域では賄えなくなりつつある…ということです。

そんな中でひとつ嬉しいことがはらのすけにはありました。はらのすけには、ボランティアでお越しいただいている調理の大ベテランさんがいます。数年前までは仕出し屋さんをしていて、地域では有名でした。やや高めの仕出し屋さんなので、いろんな味付けの仕方を知っています。切り方、調味料、食材の選択、食材を作ったりもしていました。

高齢になったことでお店をたたんでしまいましたが、そんな時にちゃんくすと出会って、はらのすけのお手伝いをしていただけるようになりました。

高齢になるといろいろと心配事もあり、できにくくなることもしばしばです。しかし、それでも調理がすきなのだと思います。本当にいろいろと指導をしてくれます。

そんな方が先日太巻きを作りました。そう。在りし日の自信のお店のブランドです。作ってみたくなったそうで、数本。太巻きを作って店頭に並べてみました。地域の人が地域で作られたものを地域の人が食べる。当たり前すぎて驚きますが、これこそが難しくなりつつある今、こういう作業ができるようになったことが嬉しかったです。

こういうことを価値にして、これこそをブランド(商品価値)にして地域で食べられる物を作ることができればな、と思いました。

2016年7月10日日曜日

さぎ島サイクリング~夏でも爆走だ!~

今日はさぎ島にサイクリングに行きました。いつもは、サイクリングだけなのですが今回は電動車いすと手こぎの車いすの方も一緒です。島一周は12キロ。自転車だと約40分で1周でき、しかもそんなにきつい坂もなく、さらに信号機もなく車どおりも少なく、ずっと海を見ながら走れるという、初心者が半日で満足できる大変ありがたい島です。お子さんでも、ちょっと始めよっかな軽い出来心でも達成感が味わえる場所です。

もう1年か2年前かに電動車いすの方と一緒に周ったことがあります。その時の感想が、こんなに爽快に走れるところはない。というものでした。その言葉がどこかに引っかかっていて、ようやく実現できたのが今回の企画。しかし、夏の日差しも強いし、そもそも車いすの方が長時間炎天下に出ることなんてないので、何かあった時のためとリフト付きの車も調達しての島一周でした。

今回の目的には、島の建物でトイレや休憩の場所を見つけることでもありました。今回行ったところは、残念ながらハード面では車いすの方が利用できそうにはありませんでした。しかし、島の方がいろいろと教えてくれて、どうにか可能性を広げようとしてくれます。あの場所だったらできるのでは?ホームページに書いてあるから見てみたらいい。

この可能性を見つけようとしてくれることが、バリアをなくす大事な行動だな。と感じました。そのためには、やっぱり出かけたり、やってみたり、とにかくdoing(すること)が大切だなと。やってみてはじめてわかることも多くて学びの多い1日でした。

ちなみに…電動車いすの速度は時速6キロ。これは日本では制限速度として道路交通法で決められています。これ以上出す車いすは許可がいります。1周12キロの島を周るのには最低でも2時間はかかります。だけど、自転車には法定速度が決められていない道路では制限速度がありません。自動車にも制限速度は決められているのに、どうして自転車は決められていないのでしょうか?なのに、電動車いすには法定速度が決められていて、自動車と同じ扱いです。なんだか矛盾を感じます。人ごみで危ないから…と言いますが、人ごみでは当然ゆっくり走行することも可能です。なんなんでしょうねぇ。この考え方は。

2016年7月9日土曜日

障害者雇用と同友会

昨日、同友会新聞が送られてきた。障害者雇用というと雇い入れる側は、なんだか負担を押し付けられるような錯覚に陥る。社会貢献として障害者雇用をしているという企業もある。

企業にとって人材育成は必須の課題だ。多様な価値観を求められる集団において分化と収束が求めらる。それは常にまとわりつく課題であり、いつまでもゴールが見えない課題でもある。おそらく、結果ではなく過程にこそ達成があるからであろう。

その行動の一端をこの記事から読み取れた。ある支部では「障がい者雇用受け入れMAP」と題して地図に障害者雇用をする企業を埋め込んで公表している。ある支部では、インクルージョン(包摂)部会という名称で、障害者だけではなく、児童養護施設の方に対しても活動の輪を広げている。

この記事の締めくくりでは、人口減少から雇用される人数の母数が減少するので、その対策にも障害者雇用を、とくくられている。そこには少しの違和感を感じつつも、多様な雇用が地域の中で生まれることが、企業の体質を変えていくことは間違いない、と感じた。

来年10月には隣の隣の市である広島県福山市で障害者問題全国交流会が開催される。地域の多様な雇用を支えるには中小企業の活動が福山から発信されることにわくわくしている。

2016年7月6日水曜日

ふぞろいの野菜

ここ最近気になる会社がある。自家ブランドの野菜を育てる過程や、それを商品にする時の選別や袋入れに障害者雇用をしている。今日は、さらにこんな記事が掲載されていた(7月6日付中国新聞朝刊)。
要約すると、地域の農家が提供する形も大きさも異なる野菜をほとんどを買い取り、流通に載せて商品化するというものだ。形が合わないものは外食や惣菜にまわすことで、そちらのコストも下げることが出来るし、なんといっても農家さんが一所懸命作った野菜すべてを販売すことが出来る。

ちゃんくすでは、お弁当やお惣菜を作っている(会社は別組織ですが)。もともとの動機のひとつには、地域で捨てられる運命にある野菜を少しでも食材にして、近所に住む方々に消費してもらうこと。遠くから来た食材で、同じようなものを大量生産するのではなく、地域で作ったものを地域の人が加工して地域の中で消費する循環を産みたかった。しかし、当然作る人がいるわけで、その人材は雇用がなかなかできづらい方々と一緒に作りたかったし、現在、そうしている。
この形態がうまくいくのか、この形態でやり遂げられるのか、はわからないけど、今のところはなんとかやれているようにも思える(…わからないけど)。

このお弁当作りをするころもいくつかの野菜を追いかけたけど、多くの答えは一緒だった。すでに売り先が決まっている野菜なんよ。でもサイズの違うのは売れんけぇ、それなら(ほとんど無料同然で)提供できるよ。多くの農家さんは契約農家となっていて、売り先が指定する物を指定する大きさで指定する日にちに指定する量作ることを要求されている(ようだった)。地域の野菜は流通に乗って遠くでお金にかわっている。

でも、売れ残っている(と解釈される)野菜にこそ、地域で使われるべきものじゃないかと(どうも私には被害者意識みたいのがあるのではないかと思うが)。使われなくなった家、空いている土地。地域には資源がある。

勝手だけど、このエブリィも同じ方向を向いているような気がした(まー勝手な解釈だこと)。

2016年7月2日土曜日

埼玉-東京-神奈川-千葉

今年のカープは歴史に残るゲームをしてますね。三者連続ホームラン、二夜連続サヨナラ、41歳ピッチャーの走者一掃のツーベース。ホームゲームとはいえ11連勝に、連敗しないチーム。このまま突き進んで欲しいものです。

さて。もう古い話ですが、先週末は結構な関東遠征をしていました。かなり久しぶりの関東。人に会う約束もほとんど実現しないままだったので、2泊3日で人に会ってきました。もちろん。大きな目的は千葉で開催された保健福祉領域の作業療法士による意見交換会への参加とネットワーク作り。今回は準備も担当したので、カバンの中は60名分の資料でパンパン。実践報告をする方の熱い想いと、60名もの参加者の期待を詰め込んで行きました。

埼玉では、福島尚さんの絵画を見に行きました。自閉症を持つ福島さんは小さい頃から大の電車好き。ご両親としょっちゅう電車を見ては、それを形作ったり、絵に描いたりしていたそうです。小学生時代の作文も紹介されていましたが、その時に書いた作文どおりに大人になっているようです。写実主義という名前でくくられるのでしょうが、そこには独特な描き方と、非常にハッピーな物語が同居していました。全体と部分のバランス。ものへのこだわり。集中力を感じる細やかさとダイナミックなサイズ。どれをとっても「個性」です。
偶然にも、ちょうど彼の後援会の代表の方とお会いすることも出来ました。
私にとって、芸術というのは、自分の中に滑り込んできていつの間にかとりこにしてしまう存在です。とにかく、私の感覚を越える作品群でした。実際に見れて本当によかったです。ぜひとも、この感動をいろんな人たちと共有したい。と思いながら後にしました。

そして、いくつかの障害者雇用をしている企業を回りました。スワンベーカリー銀座店にも行きました。人通りも多いのでしょうが、それでも多くの方がパンを買い、イートインで食べる姿は三原店にもとても参考になりました。接客からパン作りまで障害を持った方が働いています。会社の中にいろんな人材があってこその企業なんだなとどこでも感じました。

そして千葉です。今回は多くの方が参加しています。この意見交換会は2回ぶりの参加です。参加者もベテランから新卒まで多種多様。上下関係のないコミュニケーション。魅力的な活動。いろんな場面に作業療法士が関わり、作業というめがねで人を捉え、共に生きている感じがしました。以前は作業療法士は、ほとんどの方が医療機関を職場としていました。しかし、今は一年目から福祉領域の施設で働いている方もいました。本当によい選択をしたと思います。
今回のこの交流会は多くの医療関係の方も来ていました。入院したときから、外来で病院にかかってから出来るだけ早く社会参加を達成できるようになるため、社会からやや隔離された場所でも働くことを通して介入していました。

地域にとってセーフティーネットというのはとても大切です。一番底辺になる施策だと感じています。しかし、国などの補助があまり期待できない今。地域にとって地域の商工施策はとても大切です。地域でお金を生み出すような産業があれば、福祉の財源になります。

今回の関東遠征は、福祉と産業を考えるいい機会にできました。



2016年5月21日土曜日

同友会の総会でした。

またしても久しぶりの投稿になってしまいました。昨日は、同友会の総会でした。昨年は岡山の小坂田建設の社長さんのお話を聞きました。今回は広島市内の焼き鳥屋さんの社長さんのお話です。お父さまの会社を継いだこと、会社がバブル、リーマンショックの影響を受けたこと、継いだ後は困難の連続で火事も起こってしまい、すべてを失ったこと。残ったのは社員の熱意。社員と行動をともにし、社員とともに経営指針の作成、経営変革プログラムの実践。その結果、会社が再生したというお話です。

話はとてもシンプルで、力も抜けて非常に聞き易いのですが、実はすさまじい話です。社員と同じ目線で話し、とにかくポジティブシンキング。実践は基本に忠実。会社がひとつの目標に向かってやっていけばすごい力を発揮するんだなと実感しました。

常にあるのは共に考えるということ。情報を公開して、マニュアルどおりにみんなで取り組んでいました。

終了後の懇親会では、ただ聞いて勉強した気になるなと。今日お会いした方は、知識を持っていても実践していないことが多いとも。

とにかくdoingだな。と再確認しました。

2016年4月20日水曜日

少しずつ変わっています

最後の更新が昨年12月。実に4ヶ月ぶりに更新しています。あけましておめでとうございます。

この4ヶ月間。何をしていたかと。そもそもブログというのは自己表現の場でもあり、書き手が表現しようと思うことが大切でして、この4ヶ月間は本当にいろいろありました(って今でもあっていますが)。

まず、ちゃんくすは、少しはみ出して就労支援施設を作りました。新しく作ったところもあれば、古くからあったところの事業を継承しました。お弁当屋さんとパン屋さんです。それぞれ食を扱うところ。本当に一からのスタートでしたが、皆さんよく働かれていて、パンは1日約30種類で140個くらい販売しています。障害を持たれた方が作っていて、それは美味しいパンです。生地はタカキベーカリーさんのものでして、それを成形しています。同じことの繰り返しですが、実は少しずつ違うのがパンつくり。ぜひ食べに来てください。

お弁当屋さんは地域の食材。地域の人で食べるという本当の地産地消を目指しています。現在約30食を作っては毎日出しています。食べてくれる人がいるからこそのお弁当つくり。作る人も地元の人も加わって作っています。少しでも仕事を地域に残して、そこで働く人が「働いていて良かった」と思ってもらえるような仕事作りが必要だと感じています。

そして。ちゃんくすもちゃんとあります。作業を真ん中に置いて、さまざまな背景を持つ方々の活動拠点です。得意なことの種火をちょろちょろと燃やしながら社会に羽ばたこうとしている方。働きたい一心で来られる方などとにかく様々。ただ、やはり、人が輝けば地域は豊かになる。それを実践できればと思っています。

とにかくそんなこんなですが、よろしくお願いします。そういえば、ちゃんくすも設立してもう6年が経ちました。来年からは小学校くらいの年齢。まだまだこれからですわ。